我が家の次男ミッキーは、発達障害の影響もあり、3歳頃からチックが始まりました。
(「チックは子どもからのSOS?」)

同じ頃に自傷行動(自分の手を噛む)もありましたが、どちらも2年ほどで治まりました。まばたきチックは、今でも疲れがたまると時折出ますが、よく休ませると治まります。疲労のバロメーターのようになっています。

療育先で受けた、チックに関する注意事項です。




①注意しない

普段と同じように接する、が基本だそうです。注意や指摘をすると、子ども自身が気にしてよりチックがひどくなる場合があります。チックにはまるで気づいていないように、周囲の人間は振る舞いましょう。

ただ・・・子どもの場合は、つい「何それ、へんなの!」とか言ってしまいがち。友だちにからかわれて傷ついていないか、気をつけて見てあげる必要があります。悩んでいるようなら「大丈夫だよ。体がびっくりしているだけだから、慣れれば治るし、治らなくても別に変じゃないからね」と伝えてあげましょう。

可能であれば、先生や仲のいい友だちには話をし、そっとしておいてもらう対応をお願いしましょう。

その上で、どうしてもやめてほしいチック(おちんちんを触るとか、体を舐めるとか)、家庭の中では大目に見るとしても、外でやられるとやっぱりちょっと・・・の場合は、さりげなく手をつなぐ、他のことで気をそらす、のように子どもに負担のかからない方法で防止しましょう。


②環境を調整する

下の子が生まれた、利き手を矯正された、幼稚園や小学校に入った、新学期でクラスが変わった、引っ越しをした、行事が続いて疲れた、九九など新しい学習が始まった、などなど、やはり心理的にストレスを感じる環境でチックが出やすいようです。

はっきりとした原因がわからなくても、日々の疲れがたまって出ることもあります。親が厳しすぎるのが原因とか言われてしまうと、へこみますよね。まあ、そういう側面があることは否めませんが。

子どもにチックが出たら、今の環境で何がストレスなのか、どうすればそれを軽減してあげられるのか、を考えてあげてください。注意したり叱ってやめさせても、おそらく違う形で出るだけでしょう。今はしんどいんだな~と、ちょっとくらい甘やかしてもいいと思います。

ミッキーもそうですが、服のボタンを全部するのがしんどそうな時など、「今日だけだよ」と手伝ってあげると、ほっとしている様子が伝わってきます。それが癖になったりは、しません。自分でできる日はちゃんとやるし、できた時にちゃんと褒めてあげれば大丈夫です。

「自分でやりなさい!」と突き放すことは簡単ですが、そういう対応を続けているとチックが出やすいように感じます。アメとムチというか、しつけにも緩急がいるなぁとしみじみ思います。


③経過を見守る

どんな場面でどんなチックが出ているのかは、気をつけて見ておきましょう。いつからか、その前後でどんな出来事があったか、チック以外で気になる子どもの様子はなかったか、その後のチックの出方など、メモにとっておくと相談に行く時に便利です。

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遠足や行事など、新しい経験に興奮して、その後に反動でチックが出てしまっても、しばらくして治まるようなら心配はいらないそうです。逆に、そういった刺激をくり返して子どもは成長していくので、心配しすぎて何もさせないよりは、チックが出たら少し休みつつも、たくさんの楽しい経験を積ませてあげるほうがいいと言われました。

注意しなければいけないのは、チックの度合いがひどくなっていく、複雑になっていく、いくつかのチックが重なって現れる、などの重症化していく場合です。こんな時は、限界だという体のサインかもしれないので、今の環境や生活を見直す必要があります。

普通級がしんどいなら支援級に移す、とか。
思い切って、環境を大きく変える必要が出てくるかもしれません。


④自傷行動につながらないように

あと気をつけなければいけないのは、チックから自傷行動につなげないことです。

とくに自閉症スペクトラムの子どもは、癖が抜けにくく、一度身についた習慣をやめさせるのは大変です。手を掻くチックから、掻きむしってしまう自傷に移行すると、ややこしいことになります。足りない刺激を自分で補おうと、体をこすったり叩いたりする常同行動も同じです。
(→「常同行動、常同運動ってなに?」)

ミッキーに手のひらを掻くチックが出た時、絶対に手や腕に傷を作らないことを注意されました。傷が気になって、そこから掻きむしりに移行しやすいそうです。痛いのに、ついかさぶたを剥がしてしまうってやつですね。

乾燥して痒かったせいもあるので、こまめにハンドクリームを塗るようにしたら、チックも治まっていきました。緊張する場面でよくしていたので、自分をこすって安心しようとしていたのでしょう。

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頭をかく、髪の毛をさわるなどのチックも、毛をぬく自傷行動につながりやすいので、注意が必要だと言われました。目をこするのも、視力の低下や目の疾患の危険があります。しばらく様子を見て、治まるようならいいですが、もしも自傷につながりそう、または健康に影響が出そうなら、早い段階でやめさせられるように、病院や療育先で相談したほうがいいと思います。


チックの治療は、薬物療法や心理カウンセリングなどがありますが、子どもに対してはどちらもあまり聞きません。ほとんどの場合は、慎重に見守るという対応になると思います。環境調整、休養をしっかり取らせるという対応で、ほとんどの子どものチックは治まっていきます。

大丈夫!
子供のチックはよくある話ですから、心配でしょうが、大きな気持ちと長い目で見守りましょう。

親御さんが慌てないように、心配しすぎないように、私の受けた注意事項をまとめてみました。ご参考までに \(^o^)/