カクテルパーティ効果、という言葉を、聞いたことはありますか?

カクテルパーティ効果、カクテルパーティ現象とは、パーティでたくさんの人々が喋っている、雑音、騒音の中でも、自分が興味のある情報だけを見たり聞いたりできることです。

普通の人は、始めはうるさく感じても、集中することで、目の前の人の声だけを拾って聞くことができます。

ところが、発達障害のある人々は、この情報の取捨選択がうまくできないことがあります。 脳の機能的な問題だと考えられています。とくに感覚過敏を持つ人々は、カクテルパーティ効果を感じにくく、同列に聞こえる膨大な音の中から、必要な音を必死で聞き取っているので、神経を使い疲れてしまいます。

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うちは長男ゲンキも、次男ミッキーも、カクテルパーティ効果ができないと感じます。二人とも、聴力的には問題ないのですが、雑音の中で必要な音を聞き取るテストは、苦手でした。

ゲンキは、テレビがついているととにかく、呼ばれても話しかけられても、一切気づきません。読書中も、気づきません。視覚過敏傾向があるので、画像の処理中は、聴覚を使用できなくなっちゃう感じです。

ミッキーは聴覚過敏もあり、音がおそらく私達の3倍くらいの大きさで聞こえているようです。大きな音や反響音を、とても怖がります。さらにカクテルパーティができないとなると、どれだけの音の渦の中にいるのかと思います。

ミッキーを人混みに連れて行くと、とたんに顔つきが険しくなって、ささいなことで癇癪を起こして撃沈してしまうので、刺激の渦の中にいると、相当しんどいのだと思います。人混みは避け、音楽会などの音がつらそうな場面では、イヤーマフ(音を遮るヘッドホン)を使っています。





最近、リビングでテレビを見ている時、ミッキーが雑音をとても嫌がるので、困っています。兄弟がちょっと笑ったり喋っても怒るし、私が台所で料理をしている音がうるさいとキレます。テレビの音が、聞こえなくなってしまうのでしょうね。

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ゲンキは興奮するとベラベラ喋りながら見るので、兄弟喧嘩が耐えません ( ;∀;)

ミッキーが怒って音量を異常に大きくしてしまうのですが、音を小さくしたり止めたりすると癇癪を起こすので、どうしたもんやら・・・

「みんなで見ているんだよ」
と指導したり、字幕を出したり、あれこれやってみましたが、効果なし。

イヤーマフは音そのものが聞こえなくなるので、使えません。

そこで、みんなで見ている時でも、ミッキーにテレビ用のヘッドホンを使わせてみました。最近のテレビなら、「設定→音量・音声設定→ヘッドホン併用」と設定すると、ヘッドホンで聴きながら、テレビの音量も出すことができます。





ヘッドホン併用することで、解決しました。カクテルパーティできない人に、めちゃいいです。雑音に悩まされることなく、テレビを鑑賞することができます。

他にも、



デジタル耳栓といって、雑音ノイズは排除し、人の声は聞こえるようにしてくれる機器もあります。こういった便利なグッズで解決できる部分は、増えてきています。スマホがあれば、メールやSNSで意思疎通もできます。

持って生まれた、聴覚の特性はどうしようもできません。我慢しろ、できるようになれと強制するのではなく、方法を変える、違うやり方を試してみる。それでいいと思います。

私たちも、大音響のコンサート会場でずっとスピーカーの真横にいたら、疲れ果ててしまうでしょう。耳栓をしたいと、心から思うでしょう。発達障害のある人々は、それが日常なのです。

うるさい場所では筆談する、必要な機器を自分で使えるようになる、そういった自分の苦手との付き合い方を、教えていかなくてはいけないですね。