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次男ミッキーは、自閉スペクトラム症とADHDの発達障害があります。
6歳から、ADHDの衝動性を抑える薬「ストラテラ」を服用しています。

→(「いよいよ、服薬のスタート」)
→(「ん?ストラテラ、効いてきた??」)
→(「衝動性を抑えるADHDの薬3種類」)

先日、定期診察があり、小学校入学後の様子や今困っていることを相談してきました。ストラテラを飲むことで、衝動性はやや改善が見られるものの、感覚過敏からくる集団へのストレスは大きいこと、とくに最近、聴覚過敏がきつくなっているように感じると相談すると、薬の紹介をされました。

自閉スペクトラム症の小児期に使われる薬には、エビリファイリスパダールの2種類があります。自閉スペクトラム症に伴う易刺激性を改善するための薬です。

易刺激性とは、気分が変化しやすい、要求がすぐに受け入れられないと気がすまない、ささいなことで癇癪を起こしてしまう、乱暴な言動、イライラして怒りっぽい、暴力をふるってしまう、自分を傷つける自傷行動、などの症状を指します。自閉スペクトラム症の子供は、他の子供に比べて、自分だけのこだわりからパニックを起こしやすく、気持ちの切り替えが難しい特性があります。

エビリファイリスパダールは、もともと総合失調症やうつ病などの精神疾患に処方される、気持ちを鎮める薬です。2016年から、小児期の自閉スペクトラム症にも承認されました。


エビリファイ

有効成分(アリピプラゾール)。1日1回服用。

脳内のドーパミンのバランスを安定させる、抗精神病薬です。イライラや不安を抑え、精神状態を安定させる作用があります。また物事に取り組みやすくなったり、やる気を引き出す効果もあります。

小児期の自閉スペクトラム症には、頓服として服用することもあるようです。主な副作用に、眠気や体重増加、食欲増加、食欲減退、倦怠感、よだれが増えるなどがあります。
内用液、散剤、錠剤、OD錠(水なしで飲める錠剤)と薬の種類が豊富で、飲みやすさや携帯しやすさで選ぶことができます。


リスパダール

有効成分(リスペリドン)。1日2回服用。

脳内のドーパミとセロトニンのバランスを安定させる、抗精神病薬です。イライラや不安を抑え、乱暴な行動を抑制します。

主な副作用に、不眠、眠気、便秘、倦怠感、食欲の増加、体重の増加、じっとしていられない、よだれが増えるなどがあります。血糖値を上昇させることがあるので、専門医に経過を見てもらう必要があります。
こちらも内用液、細粒、錠剤、OD錠と薬の種類が豊富で、自分に合ったものを選ぶことができます。


エビリファイもリスパダールも、不安感を軽減し、気持ちを切り替えやすくする効果があります。エビリファイは、やる気を引き出す効果が、そこにプラスされると説明されました。

「エビリファイとリスパダールには、衝動性を抑える効果はありません。対して、ストラテラの不安を鎮める効果は、強くありません」

主治医の先生と相談の上、

どちらかを選ぶということであれば、衝動性が強いミッキーには、やはりストラテラのほうが必要だろうということになりました。聴覚過敏は薬で抑えられるものではないので、環境調整が重要です。薬を変える前に、もう少しストラテラと環境調整をして様子を見ることになりました。

ストラテラと併用という選択肢もあるのですが、

「エビリファイなんかは、もう少し大きくなってからでもいいと思いますよ。不安だから、これを飲むと気持ちが楽になると理解して、自分の状態を説明できる年齢になってからのほうが、過剰処方も防げますし」

と、先生も仰っていたので、もう少し様子を見たいと思います。

ただ、他の薬もあると知ることは、目安にもなり安心感があります。

エビリファイやリスパダールを処方されたけれど、これはどんな薬?と不安になっている方や、うちの子のこんな症状に困っているけれど、どんな治療法がある?という方に、参考になればと思います。

ただどちらも、副作用を伴う精神薬です。薬の使用は必ず医師と相談し、慎重になさってください。身体との相性もありますし、症状や年齢の変遷によっても、必要な種類や量は変わってきます。

また発達障害の子供には、療育(治療的教育)や環境調整(子供の特性に配慮し周囲の環境を調整すること)が大切です。服薬のみでなく、ソーシャルスキルトレーニングや環境調整を一緒にやることで、その子らしさを大事にしてあげられます。