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我が家の次男ミッキーには、発達障害があります。3歳から療育に通い、5歳で自閉症スペクトラムとADHDの診断がつきました。今、6歳で1年生です。

4月から、兄も通う地域の公立小学校の特別支援学級に入学しました。入学前は、普通級、支援級、特別支援学校と、いろいろ見学に行って、進路を決めました。
→(「特別支援学校に見学に行ってきました」)

幼稚園では、児童発達支援や「ことばの教室」の通級教室を併用していましたが、入学後の進路は

①普通級で通級教室を利用
②特別支援学級
③特別支援学校

の3パターンから、選ばなければなりません。

うちの地域では、重複利用を避けるため、支援学級や支援校に入ると、通級教室は利用できなくなります。療育を続けるには放課後デイサービスや、病院などを探さなければなりません。ミッキーは通級教室が大好きだったので、「支援級でも通級させてほしいな~」と思っていましたが、やはり通級に通ってくる子供たちと見比べると発達障害の程度は重く、「うちの子、目立つな・・・」と感じていました。

通級のお楽しみ会で、ちゃんと座って人形劇を見ている子たちの中、ずっと走り回っているミッキーに凹んだこともありました。みんな何か問題を抱えて通級してきているのだとは思いますが、ミッキーと比べると、正直、「この子たち、何が問題なの?みんな大丈夫そうな、いい子ばっかりじゃん」と思ってしまいました。

長男ゲンキも発音に問題があり、同じ「ことばの教室」に通級していたので、
(→「さ行が言えない ゲンキの発音訓練 ことばの教室へ」)

支援級に通ったほうがいい子と、普通級で通級に通ったほうがいい子の間に、やっぱり見えないラインがあるな~と感じます。

親がどうしても普通級に入れたくとも、支援級の方が向いている子に無理をさせれば、必ずどこかで歪が出てきます。適正就学と言われます。その子に合った場所で就学させてあげることは、とても大切です。

入学後の様子を見ていても、ミッキーは、普通級ではやっていけなかったでしょう。通級教室だけでは、手に余ったと思います。支援校にしようか迷った時期もあり見学も行きましたが、支援校の中では、ミッキーはできる子になってしまうのですよ。おそらく他の子に時間がかかる中で、待てないミッキーは、キレていたと思います。

ミッキーには、支援級への進学が最も適切だった。

今は、心からそう思います。

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普通級のラインは、

まず授業中に座っていられるかどうか。そして友達と関われるかどうか、です。勉強についていけなくとも、先生の指示で動けて、友達のマネができて、人と適切に関われる社会性があるなら、なんとかなる気がします。

友達と遊べていて、友達関係を重視するなら、通級などで支援しつつ、普通級でがんばらせるのも一つだと思います。みんなと同じがいい、違った目で見られたくないと、子供本人が強く感じている場合は、支援級に入れると逆にやる気を失ってしまったり、自尊心が傷ついてしまうこともあります。


支援級のラインは、

教室が苦痛でないか、が最も重要です。とくに感覚過敏(音や光に過敏に反応してしまうこと)がある子は、知的に遅れがなくとも、騒がしい教室が苦痛で、やっていけないこともあります。集団に合わせるのがとにかく苦手で、整列やあいさつを強制されることが、私達が考えている以上に苦痛な子もいます。

ミッキーが、そうですね。学ぶ意欲はあっても、交流級では刺激が多すぎて、一斉指示が入りません。そこに居るだけでいっぱいいっぱいになってしまって、勉強どころではなくなってしまいます。人が多すぎると怖くて、友達に話しかけられても固まってしまいます。

教室が辛い、集団に合わせるのが苦手という子は、少人数で本人のペースでできる支援級のほうが、向いています。勉強も、個別で見てもらえます。知的な遅れはないからと普通級で無理をさせると、不登校やうつ病などの二次障害を発症してしまいます。


支援校のラインは、

日常生活にどれだけ支援がいるか、です。例えばまだオムツが取れていない子は、支援学校であれば自立訓練として、学校で支援のノウハウがあると思いますが、一般的な小学校ではなかなか難しいでしょう。最低限、自分のことを自分でできるかどうか、が支援校のラインだと思います。

排泄、食事、着替えなどに支援が必要な場合、とくに安全面で不安がある場合、支援校を選ぶ方が無理がないと思います。支援校であれば身辺自立できたかもしれない子が、適切な教育が受けられなかったせいで、一生オムツのままだったら。それはかわいそうな気がします。



世界中ではインクルーシブ教育といって、障害のある子もない子も、同じ場で学ぶという教育への流れが進んでいます。理念としてはすばらしいし、本当に、実現すれば理想郷だと思います。日本の教育は、障害のある子は支援級や支援校に分離して、適切な場所で学ばせるというスタンスです。遅れていると思います。

インクルーシブ教育を実現し、映画にもなった「大空小学校」の例もありますが、


まだまだ少数例ですし、少なくともうちの地域には、こんな学校はありません。あれば、多少遠くとも、絶対に通わせてあげたいと心から思います。大阪に引っ越そうか、真剣に悩んだこともありました。そりゃ選べるなら、いろいろな子が混じり合って、一緒に育ち合っていくのが、一番いいに決まっている。

でも現実問題として、横並びの教育現場がまだまだ主流の中、自閉症スペクトラムの子供をどこに通わせるのが一番いいのか。本当に、あの一斉指示でみんなが同じことをやるという日本の教育は、自閉症スペクトラムの人にとって、どれだけ苦痛でどれだけ合わないかと、思います。

現実的な選択肢の中で、まだしもマシなところはどこなのか。通級なのか、支援級なのか、特別支援校なのか。成長に伴って、場所は変更もできます。まずは今の状態と、お子さんにどう成長していってほしいかを、見極めましょう。

支援級に入れたからこそ、本人なりのペースで友達と関われるようになり、高学年で普通級に移るほうがいいとなるかもしれません。逆に低学年は普通級で楽しそうだったけれど、学年が上がるにつれ授業についていけず、思い切って支援級に移動させたら落ち着いた、となるかもしれません。私はどこで学んだかよりも、どれだけ人と適切に関われるようになるか、どこなら本人の自尊心が育つか、だと思っています。

私の個人的な感想ですが、小学校をどこに進学させようか迷っている方は、参考にしていただければと思います。