他害行動

幼稚園での他害行動

幼稚園などに入園し、本格的に集団行動が始まると、これまで家庭で親と過ごしている中では見えなかった問題が、一気に出てくることがあります。

家庭などのパターンが決まった安心できる場所では大丈夫だったのに、場所やルールがちがう園では応用ができず、集団行動が取れないのです。

入園したてはどの子もそんなもんですが、半年~1年くらいで落ち着いていく子がほとんどの中で、いつまでも集団行動ができない、園のルールが守れない、人や物に手が出てしまう場合は、発達や情緒などに何かしら問題を抱えていることが多いようです。

我が家の次男ミッキーは、言葉の遅れで受診し3歳から療育に通っていたし、とにかく多動・衝動性が激しい人だったので、もちろん入園前に幼稚園や通級先と相談をし、園側でも対応を練ってくれていたはずですが、蓋を開けてみるとまあ、先生方の想像を絶する多動っぷりだったようで・・・(あれだけ大変ですよって言ったじゃん)

3、4歳頃になると「勝手に触ってはいけない」「暴力をふるわない」「順番を守る」などの社会的なルールは、最低限守れるようになっているという前提で、入園してきます。「暗黙の了解」ってやつですね。

ところが、自閉症スペクトラムなどの発達障害には、この「暗黙の了解」がわからないというやっかいな特性があります。当たり前のことが通じず、想定外のことをやられます。彼らと接していると、世界の認識の方法が異なっているとビシビシ肌で感じます。

「自閉」という言葉は、「自らに閉じこもる」と書きます。そうではない人もたくさんいますし、語弊はありますが、特性として「他者の世界を理解しにくい」傾向はどの人も持っていると思います。みんなとの共通認識が、得にくい、育ちにくい、そういう子たちです。

ミッキーは幼稚園に入る頃、お気に入りの物を触られるだけでキレてしまったり、近くに来られるだけでキレて手が出てしまっていました。他者を受け入れる余地が、ほぼありませんでした。

img023
img024
img025

彼にしたら侵入者が悪いのでしょうが、他の子にしたらなぜ怒るのかわからないのです。

目新しい物はとにかく触ってみないと気がすまない人なので、勝手に触る、叱られる、怒って投げる、そのうち先生の反応が面白くて、わざと物をひっくり返すようになりました。

刺激に過敏で、大きな音や触られるのが嫌で、騒がしい教室には、ほぼ入れませんでした。ようやく教室の隅っこでパズルができるようになっても、周りの子が悪気なく、後ろから「何してるの」とのぞき込んできたりすると、いきなり!見えないところから!触られて、恐怖のあまり押し倒して逃げたりしてしまいます。

やはり変化にとても過敏で、場所が変わった、誰かが教室に入ってきた、などのささいな変化にも反応して手が出てしまうことも多く、いつもとちがうことだらけの行事は・・・毎回かなりの修羅場でした。

とにかく、周りで止めるしかありません。が、間に合わないことも多々ありました。

しんどい時に逃げ込める場所(保健室)を決めたり、手が届くところには危ない物を置かないようにしてもらったり、大きな物は倒せないように固定してもらったりと、幼稚園と話し合っていろいろな対策を行いましたが、幼稚園時代は結局、他害は収まりませんでした。

小学校では自分が倒した物は自分で片付けないといけないと徹底されており、幼稚園時代は見過ごされてきた小さな暴力もきっちり先生が指導してくれるようになって、半年ほどで他害行動は激減しました。教科書や黒板など、見てわかる教材が増えたおかげで、いろいろなことが理解できるようになりました。

また、衝動性を改善する薬、ストラテラの服用が始まった影響も大きいかな。

→(「ん?ストラテラ効いてきた??」)


もしも、お子さんが入園して他の子や物によく手が出るようなら、まず保育者と相談してみてください。先生方は保育のプロで、これまでもたくさんの子を見てきています。「だんだん落ち着いていきそう」か「これは特別な対応が必要」か、およそわかると思います。

発達に問題がなくとも、下の子が生まれたとか、友達がなかなかできないなどで、気を引きたくて手が出ることもあります。まだ他者と関わり始めたばかりの子供は、どうすればいいのかわからず、口より先に手が出てしまうことはよくあります。

ベテランの先生が「今は荒れていますが、徐々に落ち着いていくと思いますので、様子を見ましょう」「まずはこちらで対応します」のように仰るのであれば、様子を見てもいいと思います。先生がまだ新任で明らかに頼りないような場合や、手が出ている状況そのものを教えてもらえないような場合は、管理職や主任など上の人に相談しましょう。

だいたい、入園直後は荒れるので園側も先生の人数を増やして備えますが、子供たちが慣れるに従って、徐々に通常運転になります。その時に人手が足りなくて手が出るようなら、加配は必要か、加配はお願いできるのか、手続き的なことも含めて、相談にのってもらいましょう。

たぶん、園でも、また手を出される他の子の保護者にとっても、加害児の親が無自覚ってのが一番迷惑だと思います。環境調整をお願いするにも、発達検査を受けるにも、療育に通わせるにも、服薬を検討するのも、加配を申請するにも、親からのアクションがなければ事態は動きません。

手が出てしまうことを認識し、どうすればやめさせられるのか、園と親が力を合わせて対処しなければ、やめさせられません。努力のあとが見えなければ、叩かれる子やその保護者にとっても、やりきれないと思います。

手が出やすい場所に物を置かない、クールダウンできるスペースを用意する、特定の子ともめがちなら教室や席を離してもらう、聞く力が弱いなら絵カードを使うなど、環境を整えることで他害を減らすことはできるはずです。やってしまった時は、子供を連れて謝罪に行く必要もあります。

どういう時に手が出てしまうのか、傾向と対策を先生方と相談し、園でできること、家庭でやることを明確にし、協力して一貫して対応していけば、必ず他害行動は減っていきます。すぐにやめさせるのは難しいですが、必ず減っていきます。がんばりましょう (*^^*)

1~3歳頃の他害行動

1~3歳頃までは、まだ言葉によるコミュニケーションが未熟なため、口より先に手が出てしまうことはよくあります。一般的には、言語が伸び気持ちを言葉で伝えられるようになってくると、収まっていきます。我慢する力、周囲を見る力などは、成長とともに備わっていくものなので、まだ小さい幼児期は「しかたない」「お互いさま」と社会的に大目に見てもらえる時期でもあります。

ですが、やはり幼児期から「おっとりしたおとなしい子」と「神経質で手が出やすい子」は分かれます。育て方のせいかしら・・・と悩みますが、子供の性格もあるし、感覚が過敏だったり、発達に凸凹があったりと、本人自身も困っている特性が関係している可能性もあるので、いたずらに厳しく躾ければ他害が直るとも限りません。

1~3歳頃、次男のミッキーはとにかくじっとしていられない多動・衝動性が目立ちました。興味があるものにすぐに手を伸ばすので、とにかく家中の危険なものを隠しましたが、それでも想定外のものを壊されるという日々でした。本人は触って見たいだけなんですが、力の加減ができないので倒して壊したり、落として壊したり、今思えば、体の使い方が下手だったせいもあると思います。

善悪の区別は・・・まったくついていませんでしたね。とにかく好奇心の塊で、気になるものに突進しては、すぐ次の気になるものが見えて(この間30秒くらい)、いわゆる「手当たりしだい」です。おもちゃでも遊べず(遊び方がわからず)、ひたすらおもちゃ箱から出す、投げるということをくり返していました。

img026

児童館などに連れて行っても、気になるものがあると突進してしまうので、他の子にぶつかったり、押し倒してしまったり、おもちゃを無理やり取ってしまったり、危なくて目が離せませんでした。またこの頃は、まだ言葉が出ず「キエー」「キャー」と奇声を発していたので・・・ちょっと遊び場的なところには行きにくかったですね。

療育に通いだして、ようやくおもちゃの遊び方がわかり、集中して遊べるようになって、言葉もぐんと伸びました。音や刺激に弱く、人混みが苦手なのだとわかり、人の少ない時間帯に利用するなど、連れて行く場所やタイミングを選ぶようにして、かなり楽になりました。

まだ外の刺激に触れ始めたばかりの幼児期は、他害行動も「反射」のようなものが多く、嫌な刺激に攻撃的になったり、気になる物が目に入った瞬間に取りに行ったり、周りの反応が面白くてやってしまったり、しがちです。

この時期は、いくら言い聞かせても子供が内容を理解できていないことも多いですが、根気よく「これをしたからこうなった」「これはこうこうだからいけない」と順を追って言い聞かせ続けるしかありません。言葉による表現力やコミュニケーション能力が上がってくると、落ち着いていく子も多いので、子供のペースに合わせて関わってあげればいいと思います。

子供本人は意味もわからずやっていることも多いので、親が備えるしかありません。

img027
img028

近づくと、メガネをすぐに取られる時期もありました。取られた瞬間に投げて壊されるので、必死でよけていましたね。反射神経が、求められる子育てでした。

おもちゃを取りそうになったらすかさず止めて、「かして、だね」と手を添えて一緒に言わせる。手が出そうになったら抑えて、「どうしたの?」と気持ちや理由を聞いてあげる。危ないものは、片付けておく。飛び出さないように、道路や歩道では必ず手をつなぐなど、周囲が気をつけてあげなければなりません。嫌な音や人混みなど、他害を誘発するような刺激があれば、できるだけその刺激からは遠ざけてあげてください。

他害などの問題行動を修正するためには、スモールステップで関わりましょうと療育で言われました。子供がちょっとがんばればできそうなステップから始め、少しずつ階段を上らせていくのです。

始めは親が体で止めてでも、「手が出なかった経験」を積ませ、「代わりに口で伝える経験」を蓄積させていくしかありません。まずは家庭で、親と一緒におもちゃの貸し借りなどを練習してから、児童館などに行くといいと思います。

スモールステップは、子供ができそうなことから始めるのが大切です。いきなり、「友達と遊べるようになる」などの大きすぎる目標を立ててしまうと、できないからと親子で傷ついてしまいます。「かしてを言う」から始めて、できるようになったら、「今日はありがとうって言ってみようか」と、徐々にステップアップしていくのがコツです。また、一度にいくつもの約束をしても、子供は覚えられません。わかりやすく1つか2つに絞りましょう。

大暴れされて、二度と行きたくないほど辛くても、3度、5度と通ううちに場所や雰囲気に慣れて落ち着いていくこともあります。初めての場所が苦手、という特性をもつ子は多いです。始めはまったく伝わらなくても、「取ってはいけない」「たたいてはいけない」と何度もくり返し教えることで、子供の記憶に残っていきます。

疲れてくると手が出やすいので、子供の機嫌がよく他の子も少ない時間帯を選び、集中が続く短時間で切り上げ、少しずつ平和に遊べる時間を増やしていきましょう。室内でイライラしてきたなと感じたら、外に誘うなど、場所を変えれば気持ちが落ち着くこともあります。そういった適切な周囲のサポートで、幼児期の他害はかなり防げます。


「友達がほしいな」と児童館や公園に連れて行ったのに、あきらかに自分の子が攻撃的で周囲から浮いてしまったら、へこみますよね。そういう時は、無理して集団に入らなくていいと思います。

うちはその頃、児童館や支援センターの「発達がゆっくりな子向け」の集まりによく行っていました。保育士さんなど、支援の方が多めにいてくださったので、産まれたばかりの三男のオムツ替えや授乳にちょっと抜ける時にも、はちゃめちゃなミッキーを見ていただけて、本当に助かりました。

療育まで行かなくても、「発達がゆっくりな」と銘打ってある場所であれば、一般的な子供の遊び場よりも子供の数が少なめで、おもちゃも危ないものは出さない、保育士さんの見守りがある、多少気がかりな様子があっても大目に見てもらえるなど、親子で安心して通えます。最近は、そういった場所が増えてきているので、ぜひお近くでないか探してみてください。

そういった場所がなくても、無理に集団に入れて他の子に手を出されるよりは、誰もいない公園で遊ぶほうが、どれだけ心が平穏でいられるかと思います。あそこはこの子に合わないんだと割り切って、嫌な場所には行かなければいいと思います。もしかしたら、部屋の壁紙の色が怖かったとか、天井が低くて音が反響して嫌だったとか、親も気づかないようなことで、泣いているのかもしれません。

無理せず、子供が慣れていくのを待ってあげればいいと思います。意外と、数年後には「なんだったんだろう」と思うほど、落ち着いていたりもします。親が追い詰められれば、子供も追い詰めてしまいます。親子で楽に過ごせる方法を、探してください。

他害行動について

IMG_3255

子供の発達に関するブログを細々と続けていますが、反応が大きい「他害」について、一度まとめてみたいと思っていました。

とはいえ、我が家のはちゃめちゃBOY、次男ミッキーもまだ「他害」に関しては道半ばというか、頻度はかなり減りましたが、それでもゼロになったとは言えないため、参考意見程度にしていただければと思います。

「他害行動」「他害行為」とは、「他の人や物を傷つける行為」として分類されています。どんな子供も、つい手が出てしまうことはよくありますし、ケンカをして成長していくという面もありますが、発達障害のある子供たちは手が出る頻度がやはり多く、また何度注意されても直らない、抑えがきかないという特徴があります。

とくに、コミュニケーションに問題があったり、人の気持ちを想像することが苦手な自閉症スペクトラムの子や、衝動的で感情の制御が苦手なADHDの子どもたちは、「手が出てしまう」問題を抱えがちです。

さらに、感覚の過敏さを抱えている子供は、他の人は気にならない程度の体のふれあいだけでも、殴られたように感じてやり返してしまったり、人混みのざわめきが耐え難いほど苦痛で暴れてしまったりしてしまいます。これは本人にもどうにもならない辛さなので、叱ったからやむものではありません。人混みには連れて行かないなどの環境調整や、あとはどうにか、時間をかけて刺激に慣れてもらうしかありません。

我が家の次男ミッキーは、自閉症スペクトラムとADHDの診断がついており、聴覚や触覚、味覚の過敏さがあります。衝動性と他害に悩み、6歳から衝動性を抑える薬「ストラテラ」を服用しています。

→(「衝動性を抑えるADHDの薬3種類」)
→(「いよいよ服薬のスタート」)
→(「ストラテラを飲み始めて1ヶ月」)

彼の生育歴は過去記事からご覧いただけますが、

→(「ミッキー4ヶ月 反り返り&みぶるい発作で受診」)
→(「ミッキー1歳半 こんなに悪い子見たことない」)
→(「ミッキー2歳4ヶ月 下が生まれて喋らなくなる」)
→(「ミッキー3歳 家で育てるのはもう限界 市の発達相談に」)
→(「ミッキー4歳 幼稚園へ向けて療育のスタート」)

ミッキーは物心ついた頃から、とにかく、物を壊しまくる人でした。歩くより先に、食器を割っていたような人です。おもちゃ箱も引出しも全出しなので、台所はガチガチにガードして、ゴミ箱も米びつも家電も、ドアも引き出しも、とにかく触れないように鍵をつけたり場所を替えたりと、いたちごっこを続けてきました。

お店に行くと、棚の物を片っ端から出してしまうので、買い物にも行けない・・・三男ユウキを抱っこして、ミッキーをベビーカーに固定して、棚に手が届かない通路の真ん中に置いて、要るものだけ急いでカゴに入れて・・・みたいな生活をしていました。

療育に通いだして、やや落ち着き始めたのですが、年中から入園した幼稚園ではまあ、手が出るわ手が出るわで・・・相当、悩みました。

2歳半~4歳頃に自傷行動があったので、入園までにそっちをやめさせたいと一生懸命で、他害についてはほぼ聞かなかったのですが・・・

→(「自傷行動ってなに?」)

療育先では、先生が止めてくれていたのでしょう。幼稚園ではどうしても手が足らず、目も行き届かず、人も物も多い中で、ミッキーの他害行為が顕著になりました。

3歳の頃、まだ話さないミッキーを前に
「喋れるようにさえなってくれれば、他には何も望まない」
と思いつめていた私が、

「他の子に手を出すのをやめてさえくれれば、他には何も望まない」
と思いつめるようになりました。

幼稚園と併用して療育や通級に通い、粘り強く対応を続けてはきましたが、どこに行っても親子で辛いだけ、もういっそ、家に引きこもってどこにも行きたくないと心底思っていました。(今もたまに思う)

今、小学校1年生(特別支援学級在籍)ですが、この数ヶ月ほど、ようやく他害がやめられそうな気配が出てきたので、これまでの対応や、それに対しての彼の反応、効果などをまとめます。

子供の他害に悩んでおられる方、本当に辛いと思います。きっといつかやめられます。いや、やめさせなければいけません。それでも、時間がかかることを知っておいてください。

できるだけ、親も止められる小さいうちにやめさせておかなければ、大きくなってしまうと本当に危ないので、長い目で見つつも、毅然と対応することをおすすめします。「いけない」と一貫して伝え続け、周囲がぶれなければ、子供はいつか必ず理解してくれます。

口より先に手が出る

我が家の次男ミッキーには、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

幼少時から言葉の遅れがあり、3歳半でようやく二語文、6歳の今は、ほぼ口頭でやり取りができますが発音が難しい言葉があったり、抽象的な意味がわからなかったり、2歳半下の弟のほうが言語面も社会性も安定しています。

一番困るのは、「口より先に手が出てしまう」こと。

ミッキーは幼児期から衝動性が非常に強く、言葉の遅れはもちろん気になりましたが、それよりとにかく多動を何とかしてって感じでした。10秒でいいから座って欲しいって思っていましたね。

感覚統合訓練を1年間療育センターで受け、集中力がついてようやく言葉も出始めました。幼稚園と並行して通級や療育を続け、今はかなり周りに合わせて動けるようになってはきました。

それでも、今でも口より先に手が出ます。

欲しい物が目に入ると、周りの人間はほぼ見えません。いきなり取ってしまうし、取り返されると(自分が先に取ったくせに)ものすごく怒ります。自閉症スペクトラムの「言葉が出にくい」特性に、ADHDの衝動性がプラスされるので、ここは本当に育ちにくい部分です。

夏休みに特別支援学校の夏期集中講座に参加して
→(「夏期集中講座への参加」)

言語聴覚士の先生から、そういった子への対処法を教えていただいたのでご参考までに。


まず、取りに来られても、必死で「取らせない」(^_^;)

img007

制して、「何て言うんだったかな?」と誘導。
(難しければヒントを出してもOK)

img006
img008

「貸して」「見せて」など、子供から伝えられたら、ようやく渡す。


大切なことは、制止が間に合わず取られてしまった場合も、手を抑えるなどして必ず「貸して」を言わせる。「貸して」が言えたら、「必ず貸してもらえる」状況を作る。(言っても貸してもらえなかったら、取ることをやめない)

徐々に「貸して」が先に言えるようになったら、「終わったら返してね」「大事な物だから、触らないで見るだけにしてね」など、異なる条件も提示していく。相手から「貸して」と言われたら、貸してあげられる練習も始める。

言葉でのコミュニケーションが難しい場合でも、身振りや意思表示カードを使うことで、まずは相手に伝えてから行動することを学ばせます。

img009

意思表示カードは、生活の中でよく使う言葉をいくつか入れておきましょう。本人が使えればベストですが、介助者が持っておいて、手が出そうになった時にさっと「どれかな?」と気持ちを確認する癖をつけるとよいそうです。ベルトなどにつけておいて、必要なときだけ使えるカードホルダーなどがあれば、普段から使いやすいです。




多動の子の攻撃に「取らせない」反射神経が求められる対処法ですが、「無理やり取ったほうが早い」「取ったら手に入る」とインプットされてしまうと、いつまでも問題行動が収まりません。

「無理やり取ったら貸してもらえない」「言えたら貸してもらえる」と教えなければ、「口より先に手が出る」のは直りません。また対応は一貫していなければ、子供が混乱して身につきません。幼稚園では言わないといけないけど、家では取ってもいいなどと、場所によって対応が変わらないように気をつけましょう。

ミッキーは視野が狭く人より物のほうが目に入りやすい人なので、他の人も使っていると気づかなかったり、突っ走ってしまってぶつかったり、(慣れない人には)「貸して」がどうしても言えずに取ってしまったり、「貸して」と言えてもすぐ貸してもらえないと怒ってしまったり・・・根気強く「周りを見て」と言い続けるしかないのでしょう。

まあそれでも、1年前、2年前に比べれば、「貸して」が言える回数は増えてきているし、待てる時間も少しずつ伸びています。いつか、できるようになる!そう信じて。

悪いことをする原因 その②

我が家の次男ミッキーには、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

ミッキーは自閉症スペクトラムの特性から、場の空気が読めず、適切な行動を取ることが苦手です。わざと悪いことをして気を引こうとすることも多く、最低限「人に迷惑をかけない」ためにはどうすればいいのか、教え続けています。

→(「わざと悪いことをする原因」)

ADHDの衝動性がとても強い人なので、わかっちゃいるけどついやってしまうこともよくあり、自制心の育ちを待つしかありませんが、毎度やらかされてため息をつく日々です。

そんなミッキーを見ていて、気づいたことがあります。

彼の中には「興奮してしまうスイッチ」があり、それが入ると「自分でも抑えがきかなく」なってしまいます。遊んでいて楽しいと入りやすく、そんな時は静かな場所に連れて行ってクールダウンさせます。

また、「病院」や「図書館」など、「静かにしなければならない場所」に行くと、スイッチが入ってしまうことがあります。

img003
img004

スイッチが入ってしまうと、声はいつもの数倍、足も手も止められなくなります。制止しても効果なし。図書館やスーパーなら出ればすみますが、病院は中で待たざるを得ないので、本当に大変でした。

2~3歳頃は騒いでしまう理由がわからず、どうして静かにしなければいけない場所に来るとわざとふざけるのかと通院が辛かったですが、一緒に療育に通ううちにわかってきました。

自閉症スペクトラムの人々は、「場所」と「行動」がセットになってしまうことがよくあります。「前後の流れ」や「意味」を理解しづらく、「ここは何々をする場所」というように覚えてしまうためです。

これは「構造化」といわれ、「着替える場所」「ご飯を食べる場所」と分けることで、やることがわかりやすく、気持ちの切り替えがスムーズにできるメリットがあります。「TEACCH」と呼ばれる療育手法に取り入れられている方法です。



つまり、「病院で騒いでしまった記憶」が強く残ってしまい、次に病院に来るとそれを「再現してしまう」のだと思われます。記憶が強く残ってしまったのは、まあ私が叱ったせいとか、何かを派手にひっくり返したとかいろいろ原因はあるかと思いますが、自閉症の人は記憶の仕方が私達とは異なるようで、突然過去の思い出が蘇る「フラッシュバック」もよく見られます。

よくない行動についても、「構造化」がなされてしまう可能性を、普段から気をつけておかなければなりません。その場所で何度かやってしまった後は、しばらくそこには寄り付かないとか、転院するのもひとつの方法だと思います。

「やってはいけない」とわかってはいても、「体が止められない」感じです。または「静かにしなければいけない」と緊張すると、逆に「スイッチが入って」しまうようです。これは今も完全に直ったとはいえず、以前よりはマシですが、油断するとすぐにスイッチが入ってしまいます。

我が家でとっている対策は、「騒いではいけない理由をわかりやすく伝え」「静かにできなければ入れない」と徹底します。何度か図書館で本を借りられずに強制撤去されてからは、少しずつ「静かにしよう」と本人なりに意識できるようになってきました。

img005

それでも、毎回入る前に約束事を再確認し、しつこいくらい念押しし、さらに集中が続く短時間でさっと用事をすませて出てきます。

「静かにできたね」と褒め、「静かにできた経験」を蓄積させます。「騒いでしまった経験」よりも「静かにできた経験」が勝れば、行動が修正できるのではないかと期待しています。

あとは、「手持ち無沙汰だと悪いことをする」ので、あえてお手伝いを頼むのも意外と効果があります。「カードを受付の人に渡してね」とか「本をかばんに入れてね」とか、「終わったら、外のベンチに座って待っていて」とか、具体的にやることを伝えると、かなりマシです。

スーパーはレジの会計時がいつも修羅場でしたが、折りたたんだエコバックを広げてもらったり(30秒くらいもつ)、袋に詰めてもらったり(ぐちゃぐちゃなのは諦める)、募金箱にお金を入れさせたり(リサイクル回収も好き)と、やることをいくつか用意しておくとおすすめです。

profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

にほんブログ村 子育てブログ 発達障がい児育児へ
にほんブログ村
↑参加しています。よければ応援お願いします。