家庭療育

NHK教育「できないをできるマン」

NHK教育テレビ「で~きた」に出てくる「できないをできるマン」って知っていますか?

幼稚園&保育園&小学一年生の先生向けに作られた教材用番組のようなんですが、グレーゾーンの子にわかりやすく生活の様々なことを教えるのにうってつけ!でおすすめです。

2016年4月~2019年3月まで放映されており、10月1日から再放送が始まりました。
火曜日の9時~9時10分です。

詳しい放送予定はこちら→https://www.nhk.or.jp/tokkatsu/dekita/origin/schedule/

主人公は、「できない小学校」で働いている出来内満太郎(加藤諒)と、

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一年生のおうすけ君(田代輝)。

もうグレーゾーンの子を育てていると「あるある!」とうなづきまくってしまうおうすけ君のうっかりぶりに、親も楽しめます。泣き方も派手で、表情を読むことが苦手な自閉症スペクトラムの子供でも、
わかりやすいのだと思います。次男ミッキーは、いつもこのシーンで大うけ。

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教室に設置されている「できるメーター」が、おうすけ君が何かやらかすたびに減っていき、全部なくなってしまうと満太郎が「できないをできるマン」に変身して、助けにやってきます。

メーターが減るという視覚的にわかりやすい表現で、「できない」ことを伝えてくれるので、小さな子供やグレーゾーンの子供でもとてもわかりやすくなっています。大人からしたら、こんなことしたら後でこうなっちゃうよ~という因果関係も、子供にしたらわからないんですね。「今!」でしか生きていない子供たちに、少し先のことまで考えながら生活するように促すことができます。

例えば、以前放映していた「体調管理」編では、おうすけ君が暑いのに上着を脱がないで汗びっしょりになって、それなのにお茶も飲まずにいると授業中に「き、きもちわるい・・・」と熱中症になってしまうシーンがありました。

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そこへ「できないをできるマン」が登場し、どうしてこうなったのかな?と場面を巻き戻しながら丁寧に説明してくれます。「あ、そうか!お茶を飲まなかったからだ!」とおうすけ君自身も気づくことができ、「次からは気を付けよう!」となれます。

「できないことに気づけたら、いつかできる!できないをできるマン!」(歌より)

発達障害のある子供は、視覚からの情報への反応が良いことが多く、いくら親が口で言って聞かせても馬の耳に念仏状態だったのが、絵で描いて見せたり、カードを介してやり取りをするとスムーズにいくことがあります。この「で~きた」も、小さな子供でもわかりやすいようにやるべきことを整理して、箇条書きにして絵で説明してくれるので、家庭でのソーシャルスキルトレーニングにおすすめです。全体にオーバーアクションで笑えるので、子供も勉強ではなく遊び感覚で喜んで見てくれます。

我が家でも「あ、できるメーター減っちゃうよ!」と声をかけることで
「そうやったそうやった」と気づいてくれることもあり、助かっています。

番組のコンセプト通り「できない」を「できる」に変えることができたらいいな (^▽^)/

公式サイト→http://www.nhk.or.jp/tokkatsu/dekita/

夏休みの宿題

我が家には、小学4年生の長男ゲンキと、1年生の次男ミッキー、年少の三男ユウキと3人の男の子がいます。

小学生組の夏休みの宿題も、いよいよ佳境に入ってきました。次男のミッキーはADHDの衝動性が強く人込みが苦手なため、小学校は特別支援級に通っています。国語や算数は支援級で学び、図工や音楽などは交流級で授業を受けています。知的には境界域なので、これまでも宿題は交流級と同じ内容をやっており、夏休みの宿題もどっちゃりともらってきました・・・

ゲンキも4年生になると宿題の量も増え、2人を並べて勉強させるのはそれはもう大変・・・( ;∀;)

さらに、夏休みは一学期のおさらいや、これまでの苦手を克服させるいいチャンスなので、ゲンキは計算と漢字の特別特訓をやらせます。ゲンキもこだわりが強いグレーゾーンBOYで、普通級に通っていますが、うっかりが激しい相当な変人です。計算などのケアレスミスが多く、記憶力は抜群にいいのに、興味がない(漢字とか)ことはまったく頭に入りません。

ゲンキは本が大好きで暇さえあればずっと読んでいるのに、作文が書けません。書き方はかなり教えますが、まず何を書いたらいいのか、からつまづきます。読書感想文が、毎年すごい難関。つきっきりでないと、書けません。うーん、なんでだろうね。

ゲンキは昔から、1+5などの簡単な計算ができなかったり(おそらく数の概念が弱い)、鏡文字と呼ばれる反転した字を書いたり(左利きのせい?)、え?なんで?という部分でつまづいてきました。通級教室や家庭学習でテコ入れし、持ち前の記憶力の良さでカバーして、何とかなっています。

そして、今年から宿題が始まったミッキーミッキーは意外と勉強が好き(やるべきことがはっきりしているから)なんですが、いかんせん、出力にムラがあり、やる気にならないと絶対にやりません。やる気になった時にすかさずさせないとやってくれないので、家事の途中でも放っぽって、とにかく宿題を手伝うようにしています。

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そして、集中力が、続かない ( ;∀;)

15~30分が限界でしょうか。いかに集中をそらさないで、効率よく勉強させるかにかかっています。まあ、そのあたりは、ゲンキも通った道なので・・・コツとしては、1つ解き終わった瞬間にすかさず次の問題を読んであげたり、指や棒で指してあげると、気がそれにくいです。ゲンキも集中が続かない人で、1、2年生の頃は横についていないと宿題ができなかったのですが、3年生くらいから少しずつ1人でもやれるようになりました。成長を待つしかない感じです。

でも意外だったんですが、ミッキーの文章は、いいんですよ。

「アサガオのたねがさきました」「たのしい、ぼく」とか、子供らしくてかわいい伸び伸びした表現をします。自閉症スペクトラムの診断がついているミッキーは、作文が書けなくてもしかたないと思っていましたが、むしろゲンキと違って、書きたいことがちゃんとある感じ。教えても、自分の書きたいことしか書きません。

ですが、家でみっちり一緒に勉強をしていると、ミッキーの苦手さがよくわかります。

これまでもうすうす感じていましたが、ミッキーは文章を読んで理解するのが難しいようです。これ、よく自閉症スペクトラムの人の事例を見聞きしますが、「読みながら理解する」のが難しいってやつですね。発達障害があると、同時に2つのことをやれない人が多く、文を読みながら意味を理解したり、話を聞きながらノートを取るのが難しいのです。ミッキーも、音読は上手ですらすら読むのですが、文字を追うのに集中すると意味が取れません。お話の内容はおもに挿絵から理解している様子です。計算そのものも早いのですが、文章題になるとさっぱりです。

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うーん、これはおそらく、一生抱える苦手さだろうなと思います。一行ずつ読んで理解する練習をさせるなど、特別なトレーニングが必要になると思います。より内容が高度になると、ついていくのが難しくなっていくでしょう。

夏休みの宿題に付き合うのは大変ですが、こうして子供の苦手や現状把握にとても役立つので、できるだけ様子を見守りたいなぁと思います。

療育と習い事の違い

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「療育」とは、治療教育のことです。

「療育」は障害のある子供に、施されます。とはいえ、持って生まれた障害は治療して治るのではなく、療育によって社会で生きやすくするのが狙いです。

療育というと、歩けない子が訓練するようなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、ソーシャルスキルトレーニングなど、発達障害があり社会性に課題がある子向けの療育や、自閉症スペクトラムの人向けのティーチと呼ばれるプログラムなど、いろいろな療育があります。

ダウン症や自閉症スペクトラム、ADHDやLDなど、障害のある子ども向けのプログラムには、音楽療法、リトミック、言語療法、感覚統合訓練、ティーチ、応用行動分析など、事業所ごとに特色があり、子どもの発達に合わせてプログラムが組まれます。

(「感覚統合ってなに?」「ティーチってなに?」「応用行動分析ってなに?」)

幼稚園でやっていることと同じような内容をやるのでも、視覚的にわかりやすいような掲示物やプリントの支援があり、先生からの指示も簡単でわかりやすく、教室の動線なども、障害のある子どもがスムーズに参加できるように工夫されています。そして何より、先生の配置が幼稚園などに比べると段違いに多いので、もしも可能なら、発達に心配のあるお子さんは「療育」に通わせてあげるのが一番いいと思います。

療育センターや児童精神科に併設されているリハビリセンターのような場所で受けるものもあれば、民間の発達支援事業所で受けられるセラピーや、放課後デイサービス(小学生以降)もあります。

ただ「療育」に通うためには、発達が遅れているという証明をとらなければいけません。発達検査や病院の診断で、「今この子には療育が必要とされている」と判断されなければ、事業所を紹介してもらえません。また国から補助が出ている「発達支援事業所」に通わせるには「受給者証」を申請しなければならず、それも1ヶ月ほどかかります。

また「療育」も1年間のプログラムが終了したら次がなかったり、また1年待機して順番を待たなければいけなかったりと、継続して続けられないこともあります。

そこで、周りに何とかついていける軽度の発達障害の子は、理解のある「習い事」で代用する手もあります。

→(「発達障害の子どもと習い事」)

「療育」と「習い事」の明確な違いは、やはり「療育」は障害のある子ども向けであるのに対し「習い事」はもっと広く一般に門戸が開かれていることだと思います。ただ最近は「発達障害の子どもに向けた指導」「発達障害が改善する」とうたっている塾や教室もあるので、徐々に民間の事業所でもニーズに対応した動きが出てきています。

ただ・・・民間は・・・お高いんですよね。

国の補助がある事業所は利用者負担が1割なのに対し、民間の習い事系は全額自己負担です。1コマ1万円近くする教室もけっこうあり、まあ扱いにくい子に先生がマンツーでみっちりついてくれるのだから普通の習い事に比べて高いのはしかたないとしても、ずっと続けるのは家計的にしんどいな~と感じます。

どこの家でも同じかもしれませんが、教育費って削りにくいけど、圧迫感ありますよね・・・

よく調べれば、同じような内容のサービスを公費で受けられる場合があるかもしれないので、自治体や発達障害支援団体などに問い合わせてみるのもおすすめです。

我が家では次男に「療育」を、長男に「習い事」をさせた経験から、どちらでも子どもにいい効果があるのは間違いないと思います。次男は3歳で「感覚統合訓練」を、長男は5歳で「体操教室」に通わせましたが、集中力が続かない、体の動かし方がうまくわからないような特性がある子は、体の使い方を教えてあげることで、集中力がついた、落ち着きが出てきた、体幹がしっかりしてきた、物にぶつからずに歩けるようになった(物との距離感がつかめるようになる)、などのいい効果があります。

とくに幼児期は、体の使い方を教えてあげることが重要だと思いました。
体操やスイミング、友だちと走り回って遊ぶことが、大切な時期です。

まずはその体の基礎ができてから、言葉が増えた、友だちと遊べるようになったという社会性がついてきます。いきなり言葉や文字を教えても、基礎ができていなければまったく意味がないのと同じように、遠回りに見えてもまずは基礎づくりをしっかりやることで、後にぐんと伸びていきます。これは学習面でも、同じだと思います。

上手にできなくても、他の子より習得に時間がかかっても、座って待てて先生の指示を聞いて動けるなら、普通の「習い事」でもやっていけます。
まだじっと座っていられない、指示を聞き取れないようなら、まずは「療育」でしっかりと基礎づくりをして、様子を見て「習い事」を併用する、移行させていくというのが現実的でしょうか。

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また長男ゲンキのように、とにかく組み立てるのが大好きとか、図鑑を全部覚えちゃうとかオタク臭が強くて、なんか友だちとうまくいかない子も、プログラミング教室とかロボット教室のような場所だったら、似たような子と出会えて共鳴できるのかもしれません。小学校に入ると、得意不得意、好き嫌いがはっきりしてくるので、子どもがやりたいことをさせてあげたらいいと思います。

習い事にも、2種類あると思います。学習塾のような「現実の補完タイプ」と、ピアノやサッカーのように「一芸・未来への投資タイプ」。学習塾も、早期受験を目的としたような進学系は「未来への投資タイプ」に入るでしょうか。

「療育」はどうしても、社会への適合を目指しているので「補完タイプ」になります。子どもの困り感は確実に軽減するので、コミュニケーションで問題があったり、数字や文字が苦手な子などは、「療育」で適切な指導を受けさせてあげてほしいと思います。

反面、発達障害のある子に多いんですが、好きなことには異常に集中して、高い能力を発揮するタイプがいます。こだわりがいい方向にはまれば、才能開花することも。そういうタイプの子には、あえて高度な「一芸・未来への投資タイプ」の習い事で、興味をとことん満足させてあげる経験も、必要なのかもしれないと思います。

発達に凸凹がある子どもには、そんな「補完タイプ」と「投資タイプ」をうまく組み合わせて、その子の苦手と得意、特性や性格にあった環境を用意してあげれば、伸びていくことができます。

今、その子がどんなものを必要としていて、それには「療育」がいいのか、「習い事」がいいのか、家庭で親が教えてあげたほうがいいのか、外部の教室に通ったほうがいいのか、見極めて一番いい形にしてあげたいですね。

発達障害の子どもと習い事


子育て中に気になる、「習い事」。

いつから?どんなものを?何が一番役に立つ?
最近は幼児教育、早期教育ブームで小さな子供向けの教室も多く、友だちが始めた・・・幼稚園のみんな習っている・・・とか聞くと、焦ってしまいますよね。

幼稚園か保育園かでも温度差はあるのでしょうが、私の周りの人では幼稚園に入ると何か1つはやっているという感じです。(私立幼稚園だともっと多いかな)
小学生になると、2~3つくらいが平均。(スイミングや英語、進研ゼミなどがトップ3に入ります)平日は連日習い事、という子も珍しくありません。

男の子に多いのは、スイミング、体操、サッカーや野球などの運動系。

幼児期にいろいろな体の動きを身に着けておくと、その後の発達にいいと言われます。でもまあ、コーチの指示が理解できて、見た動きを体で再現できるようになるには個人差もあるので、お子さんの様子を見ながら、今その子に必要そうで楽しめそうなものを探してあげるといいかと思います。

女の子はやっぱり、ピアノやバレエというお稽古系。

友だちがやっているから、友だちと一緒の教室に入りたいから、という理由も大きいようです。

3歳から英語通わせている人も、けっこういますね。う~ん、個人的には、幼児の間は NHK 「えいごであそぼう」見せてるくらいでちょうどいいんじゃね?って思いますが。
幼児期に2000時間インプットしたら、英語が喋れるようになる(絶対音感がつく)とか聞いても、本当に?って思っちゃいませんか。真面目で課題に一生懸命取り組む子なら、身につくのかもしれませんが、じっとしていられない集中力の続かない子には、しんどいんじゃないかな~と思います。

意外と、小学生くらいになってからのほうが吸収が早いし、親に言われてやっているよりも自分がしたくてやっていることは、びっくりするほど集中してぐんぐん伸びるので、普段の生活でいろいろな刺激に触れさせて、子どもの向き不向きがわかってから、親子で納得できる、しっかりとした教室を探してあげるのが、いいように思います。

発達障害があると(程度にもよりますが)、習い事は難しい場合があります。

とくにじっとしていられない、多動のお子さん。スイミングや体操では、安全面から断られることがほとんどだと思います。障害児スイミングの枠があるところも、肢体不自由のお子さんだったり、療育手帳を持っている重度のお子さんがメインになることが多く、内容も水慣れレベルで、きちんと泳ぎを教えてもらいたい場合は物足りなかったり・・・軽度の発達障害の子どもの受け入れ先って意外とないな~と感じます。

公文や幼児教室のようなところも、じっとできない子は難しいと思います。先生がマンツーでつけるところはいいですが、そうでないと他のお子さんへ迷惑をかけたり授業そのものが成り立たなかったり・・・

こだわりが強かったり、慣れない場所では不安が強かったり、ささいなことでパニックを起こしてしまったり、先生の指示が聞き取れない発達障害のある子どもは、集団で学ぶのは難しいかもしれません。

我が家の長男ゲンキも、こだわりが強く不注意が激しいグレーゾーンBOY。運動が苦手(というか興味がない)で、読書やブロック、工作が大好きという人でした。友だちにもあまり興味を示さず、これはあかんと思い、幼稚園で近所の体操教室に入れました。

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通い始めは見た動きをそのままマネできず、なんか一人ムーブメントが変でした。どうすればあんな風に体を動かせるのか、皆目検討がつきませんって顔で、困っていましたね。先生の指示もボーとして聞いていないので、できるはずがありません。

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しかも課題の途中でもいきなりピョンピョン跳び出したりして・・・一人3周ノルマのところ、半分できていればいいほうで、まじ月謝がもったいない・・・とヤキモキして見ていましたが、1年半ほど続けた年長さんの終わり頃、ようやく跳び箱やマット運動のコツがわかったらしく、急にできるようになりました。なわとびも、体操教室に通っていなければできるようにならなかったと思います。

ゲンキはボーとする不注意タイプで、他害や暴力的な行動がなかったので普通の教室でやっていけました。興味がないことにはまったく食指が動きませんが、やってちょうだいと言われた課題は真面目にやろうとするので、あえて習わせてよかったです。家で教えようとしてものってこないので、先生から教えてもらうほうが本人もやる気がでる感じ。またできないから興味がなかったのが、少しできるようになると本人も積極的になり、友だちの輪にも入るようになりました。幼児から小学生の頃、とくに男の子は、運動能力が社会性に直結するように感じます。

ゲンキは習得するまで人より時間がかかるので、就学前に体育でやりそうな動きを一通り習わせておいたおかげで、小学校でも落ちこぼれずに何とかついていけています。

次男ミッキーは多動・衝動性が強く、他害や破壊行為が激しいので、ちょっと普通の教室は無理だろうと思います。療育センターでの感覚統合訓練が終わってしまったので、水泳とか体操とか、何か体を使わせる訓練をやらせたいのですが・・・

→(「感覚統合ってなに?」)

小学校に入って、もう少し衝動性が落ち着いて指示を聞けるようになったら、考えてみたいです。

障害がある子ども向けには「療育」というものがあります。

ただ「療育」を受けるには、いろいろと手続き的なことがいるし、空きがないので1年待ちとかも多いし、すぐに受けられるとは限りません。

そこでゲンキのようにグレーゾーンで、ギリギリなんとかみんなについていける軽度の子は、習い事で代用するのもありだと思います。とくにYMCAは発達障害に理解があり、研修をきちんと行っているので、グレーゾーンの子に人気があります。

ただ相性は大事というか、合わない習い事に親のエゴで入れてしまうと、これは健常の子でもよくありますが、無理がたたって子どもが体調を崩してしまったり、チックが出てしまったりと、悪い影響が出ることもあるので、教室選びは慎重にしましょう。体験入会があれば、必ず事前に相性を確認してから決めたほうがいいと思います。

いろいろな習い事や教室があるかと思いますが、一番大切なポイントは「ほめて伸ばす」こと。発達障害が疑われる子には、スパルタや根性論は向きません。大きな叱り声や無理な指導に、パニックを起こしてしまう子も多いです。どんな教室でも、優しく、子どもに合わせて待ってくれる指導者を選ぶことをおすすめします。ゲンキの体操教室も、明るく元気なコーチが気前よく褒めてくれ、「今日の準備運動はAKBエアロビクスですから、お母さん方も一緒にどうぞ!」とか誘ってくれるので、とても雰囲気がよかったです。

こだわりが強い、一斉指示が入りにくい、いくつも指示を出されると混乱してできなくなる、できないとパニックを起こす、母子分離できないなど、気になる部分があれば必ず事前に先生に伝えることをおすすめします。発達障害が・・・と言うよりは、「こんなことが苦手だ」「こんな時は、こういう対応をしてほしい」のように、具体的にお願いするほうが先生も動きやすいと思います。一人だけ特別扱いはできなくても、少し気にかけてもらえるだけで全然違います。

幼児期には、いろいろな子がいます。
お母さんから離れられなくてずっと泣いている子もいれば、いつまでたってもテストに合格できない子もいるし、ゲンキのようにボーとして何もできない子もいます。ゲンキの通っていた体操教室も、4月は泣いている子続出でした。それでもコーチは「大丈夫大丈夫!」と太っ腹にどんな子も受け入れて丁寧に指導をしてくれました。「ほめられる」からがんばれて、「できた」から楽しいんですね。それを続けることで、本当にいきなり蛹から蝶になる瞬間がきます。必ず、きます。

子どもの可能性を信じて、子どもが楽しんでできる習い事を、探してあげたいなと思います。

もし安全面や体力面から今は難しくても、もしかしたら数年後にはまったく問題なく、やれるかもしれません。子どもに合わせて、その時を待ってあげればいいと思います。

信号に例えて伝えてみる


我が家の次男ミッキーには、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

衝動性が強く、とにかく手も足も止められないのが特性で、ひっくり返して投げて逃げて走り回って・・・が日常の光景です。善悪の区別はついてきているのですが、やってはいけないとわかってはいるけれどやってしまう、止められなさが目立ちます。

それが彼の特性なのだと理解した上で、できるだけ根気強く対応していこうと思ってはいますが、やはり我慢にも限界があるというか、一緒に暮らしていると家族のストレスも非常に大きいものがあります。

わざと物を壊して、叱られている最中もニヤニヤふざけていたり、窓の外の刺激に容易に気がそらされて話を聞いてくれなかったりすると、どっと徒労感に襲われます。




ところが、上の本の中で、高機能自閉症で問題行動が止まなかった子に、支援学校で行った、具体的な指導法が紹介されており、「信号に例えて、行動を修正する」くだりにピンときたので、家でも試してみました。

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絵カードを見せながら、
「いいことをしている時は、青信号。そのまま進んでいいです。ちょっと悪い時は、黄色信号。すぐに謝って直せば、青信号に戻れます。物を壊したり、人を叩いてしまった時は、赤信号。それは絶対にやってはいけないことだよ」
と教えました。

すると効果は絶大!

色によるイメージがはっきりついたのか、「今は何色?」と自分から聞き、よい行動をとろうと自制するようになりました。

ミッキーは自閉症よりもADHDの衝動性が強く、カードによる支援は、カードで遊んでしまったり、カードが気になってより話が聞けなくなってしまうのですが、やはり視覚優位なので、絵や文字でイメージをつけさせると効きます。カードにはくどくど描かず、あいさつなら「おはようございます」ひとつだけ、絵もできるだけシンプルにするように気をつけています。

信号は、とてもわかりやすい例えだったようです。

また、これまでも「これはいいけど、これはいけない」と絵に書いて教えていましたが、マルかバツかの二項対立しかなかったのが、「まだ間に合う」「直せる」と、中間の黄色信号の存在は大きいようです。

「うわー」となりそうになっても、引き返せることが増えました。

いきなりすべて直すのは難しいですが、「お茶をこぼしてしまっても、拭けばいいんだよ」と軌道修正できるようになれば、困った時でも、柔軟に対応できるようになれる気がします。やはり自閉の特性で、0か100か、となってしまいがちなので、できるだけ柔軟な考え方を教えてあげたいです。

そして、これまでいたずらやいじわるばかりだったミッキーにも、「青信号になりたい」という気持ちが、ちゃんとあったことに、うれしくなりました。どうすればいいのか、これまでわからなかっただけなのだと思いたい。

登下校中でも、以前は歩くのが嫌になるとすぐにランドセルを投げて逃げてしまって、追いかけるのが大変だったのですが、

「ママと同じ速さで歩けると、青信号。止まってしまうと黄色信号になるけど、また歩きだせば大丈夫だよ。ランドセルを投げるのは、赤信号。それはいけません」
と話すと、ちゃんと歩いてくれるようになりました。

お子さんの問題行動が止まず、どれだけ言って聞かせてもなかなかわかってくれない、わかってはいるけどやめられず困っている方は、ぜひ「信号作戦」、試してみてください。交通ルールが理解できる年齢なら、言って聞かせるよりも、直感的にイメージすることができます。

profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

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