自閉症スペクトラム

音楽会練習、なにがいや?

我が家の次男ミッキーは、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

知的には境界域で、小学校は特別支援学級の情緒クラスに在籍しています。こだわりはあまりないのですが、衝動性が強く、感覚過敏(大きい音やいきなり触られることが苦手)があり、集団行動は苦手です。

先月、運動会があり、幼稚園の頃とは別人かと思えるほど、他の子に合わせてがんばっていました。

→(「運動会、がんばりました!」)

そして・・・、そう、音楽会です (^_^;)

ミッキーは聴覚過敏なので、そもそも音の渦の中にいるだけでしんどいはずです。完成された音楽ならばまだしも、まだ全然合わない練習中のバラバラの音を聞くのは、さぞつらかろうと思います。

案の定、楽器演奏が始まったくらいから、荒れ模様です・・・

学校では何とかがんばって帰ってくるのですが、帰宅後や週末はひどい有様で・・・とにかく寝かせて、好きなもの食べさせて、ストレス発散のヒーローごっこを気が済むまでやらせて、何とか耐え忍んではいますが、本番まで持つかしら・・・

音楽会練習の間だけでもイヤーマフを使うよう、本人にも伝えましたが、練習で音が聞こえなくなるのは嫌なようで、使ってくれません。



ただ先週、授業参観があり音楽会練習の様子を見てきたのですが、音そのものもつらいけれど、それより合唱も合奏も、途中で何度も止められて「ここはもう少しはっきりと音を切って」などと直しながら進むのがとにかくしんどそうで、途中からすっかり飽きて座り込んでしまっていました。

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いったい、今、何をやっているのかがわからない・・・

やっているのに、途中で止められるのが、たまらない・・・

そしてその週末、ちょっとまばたきが増えているように思えて・・・

チックの予感・・・

→(「チックは子供からのSOS?」)(「子どものチックで気をつけること」)

がんばれそうなら様子を見るけれど、チックが出るということは限界を超えているということなので、ちょっと介入します。チックが出てしまうとおそらく1ヶ月ほど続いてしまうので、音楽会本番もつらいでしょう。

音楽会という行事の特性上、音刺激を和らげるのも限度があります。前後の時間は静かな場所で過ごせるようにするなどで、対処するしかありません。また、ミッキーの様子を見ていると、音そのものよりも練習方法へのストレスのほうが大きそうでした。

担任の先生に「細切れの練習がしんどそうなら、通し練習のみ参加させてほしい」と伝えさらに、暇な時間に見て退屈しないよう歌詞カードや、見やすい楽譜を作成。これなら練習中に眺めていても、違和感ありません。

その後、やはりしんどそうということで、全体の合奏が仕上がるまで支援級に抜いてもらい、テープなどに合わせて個別練習をさせてもらえることになりました。

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そもそも、ミッキーはトライアングルをやるので、出番もそう多くありません。小節ごとに止めながらの練習だとほとんど出番がないので、飽きてしまうのも仕方ないし、練習になりません。個別練習にしてもらったおかげで、集中できるようになったそうです。

とりあえず、それでややマシになったようでまばたきは悪化していません。あの手この手で、しのぐしかありませんね。

どうにか、無事に音楽会すみますように・・・(T_T)

リビングマットに予想外の反応

我が家の長男ゲンキは、こだわりの強いグレーゾーンBOYです。

幼少期から、ピョンピョン跳んだり(自閉症スペクトラムの特徴の1つ、常同行動)、アスレチックなどにはまったく興味を示さず、延々と砂いじりやブロック遊びをしていました。言葉は早かったんですが、ずっと図鑑の内容を喋っているような人で・・・心配したんですが・・・

→(「常同行動、常同運動ってなに?」)

幼稚園の年長さんくらいから、徐々に友達とも遊ぶようになり、超マイペースBOYですが、小学校も普通級で楽しくやっています。

ゲンキはとにかく、普通の人と着眼点が異なるというか、反応が独特すぎてかなり面白いです。

先日、増税前に買い替えだ~!と、くちゃくちゃになっていたリビングマットを、組み合わせられるジョイントマットに買い替えたのですが、ゲンキの予想外の反応・・・(^_^;)

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学校から帰ってきて、マットを見た瞬間「ケンケンパ」を始めました・・・

ゲンキは、次男ミッキーが生まれた頃(3歳半)からピョンピョン跳ぶ常同行動を始め、

(「ゲンキ~幼稚園 一人遊びからの脱却 ピョンピョン跳ぶ謎の行動」)

(「トランポリン買っちゃいました!」)

ところかまわずピョンピョンされるとだいぶ迷惑なので、やめてほしいな~とあの手この手で関わり、ようやく空手を始めて直った(完全にではないけれどかなり頻度が減った)

(「空手をはじめてピョンピョンが直った」)

のに・・・
マットのせいで再開したら!!と焦ったのですが (^_^;)

1週間ほど「ケンケンパ」をしたら(ずっとやってたけど)、気が済んだようです。

ふ~、セーフ!!

いや~、あぶないあぶない。
そういえば、ゲンキはブロックを作る時も、きっちり左右対称にきれいに並んでいないと気がすまない人です。図形も大好きだし。









四角いマットが規則的に並んでいる様子は、そうとうよかったんでしょう。ピョンピョンが再開するところでした。視覚的に、誘発するような刺激は避けるべきですね。反省しました。

まあ、でも、自発的に終えられたから。成長したもんだ!

運動会、がんばりました!!

秋の運動会シーズンです (^^)

我が家でも、長男と次男が通う小学校の運動会が、先日行われました。

1年生はダンスと玉入れ、かけっこに出場します。
4年生はダンスと綱引き、リレーに出場します。


1年前、ミッキーの幼稚園の運動会を思い出します。

まず、幼稚園では並べなかった。先生に抱っこされて端っこにどうにか座っていたミッキーが、小学校の運動会ではちゃんと自分で並んで立っていました。

かけっこも、幼稚園では「ヨーイドン」に合わせられず一人かってに走ってしまっていたミッキーが、ちゃんと合図に合わせて走り、笑顔でゴールしていました。

これまで人の真似をすることが苦手だったミッキーが、テレビの戦隊ヒーロー「リュウソウジャー」のおかげでダンスを真似するようになり、運動会のダンスでは先生の補助なしに一人で踊りきりました。ペアの子の動きを一生懸命真似して、どこにいるかわからないくらい目立たなかったです。

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小学校へ入ってからの成長は、目覚ましいものがあります。
別人と言ってもいいくらい (T_T)

指導してくれた先生方へ、本当に感謝の言葉しかありません。ピストルの音が大丈夫かとか、ダンスの位置をどうするかなど、きめ細やかに対応していただきました。全面的に信頼して、お任せできました。


そして、長男ゲンキは・・・
運動会のダンスの一部が夏休みの宿題で出ていたのですが、

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このポーズがなかなかできず・・・本当にひと夏かかりました (T_T)
もう、練習の苦労が思い出されて・・・涙が出そう・・・(T_T)

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練習の甲斐あって本番は何とかやり通していましたが、もう、見ているだけでヒヤヒヤでした (^_^;)

まあ、他にも怪しい子たくさんいたからね。あんなもんでしょう。
逆にゲンキは「宿題」で課題を出してもらわないと、興味のないことには絶対に取り組まないので、運動会などはいい節目です。苦手なことにチャレンジするいい機会になったなと思います。

ゲンキは運動が苦手だし、ミッキーは人と同じ動きをするのが苦手です。全然できない頃は、見ている方も辛かったですが、それでもその子なりのペースでゆっくりと成長していき、それなりにやれるようになるものなんですね。できないからといって、やらせないのではなく、本人なりの頑張りを認め続けてあげる環境が大事だなと思いました。


いや~、子どもたちの頑張っている様子がよくわかる、いい運動会でした。
休むまもなく、次は音楽会。がんばりましょう!!

悪いことをする原因 その②

我が家の次男ミッキーには、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

ミッキーは自閉症スペクトラムの特性から、場の空気が読めず、適切な行動を取ることが苦手です。わざと悪いことをして気を引こうとすることも多く、最低限「人に迷惑をかけない」ためにはどうすればいいのか、教え続けています。

→(「わざと悪いことをする原因」)

ADHDの衝動性がとても強い人なので、わかっちゃいるけどついやってしまうこともよくあり、自制心の育ちを待つしかありませんが、毎度やらかされてため息をつく日々です。

そんなミッキーを見ていて、気づいたことがあります。

彼の中には「興奮してしまうスイッチ」があり、それが入ると「自分でも抑えがきかなく」なってしまいます。遊んでいて楽しいと入りやすく、そんな時は静かな場所に連れて行ってクールダウンさせます。

また、「病院」や「図書館」など、「静かにしなければならない場所」に行くと、スイッチが入ってしまうことがあります。

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スイッチが入ってしまうと、声はいつもの数倍、足も手も止められなくなります。制止しても効果なし。図書館やスーパーなら出ればすみますが、病院は中で待たざるを得ないので、本当に大変でした。

2~3歳頃は騒いでしまう理由がわからず、どうして静かにしなければいけない場所に来るとわざとふざけるのかと通院が辛かったですが、一緒に療育に通ううちにわかってきました。

自閉症スペクトラムの人々は、「場所」と「行動」がセットになってしまうことがよくあります。「前後の流れ」や「意味」を理解しづらく、「ここは何々をする場所」というように覚えてしまうためです。

これは「構造化」といわれ、「着替える場所」「ご飯を食べる場所」と分けることで、やることがわかりやすく、気持ちの切り替えがスムーズにできるメリットがあります。「TEACCH」と呼ばれる療育手法に取り入れられている方法です。



つまり、「病院で騒いでしまった記憶」が強く残ってしまい、次に病院に来るとそれを「再現してしまう」のだと思われます。記憶が強く残ってしまったのは、まあ私が叱ったせいとか、何かを派手にひっくり返したとかいろいろ原因はあるかと思いますが、自閉症の人は記憶の仕方が私達とは異なるようで、突然過去の思い出が蘇る「フラッシュバック」もよく見られます。

よくない行動についても、「構造化」がなされてしまう可能性を、普段から気をつけておかなければなりません。その場所で何度かやってしまった後は、しばらくそこには寄り付かないとか、転院するのもひとつの方法だと思います。

「やってはいけない」とわかってはいても、「体が止められない」感じです。または「静かにしなければいけない」と緊張すると、逆に「スイッチが入って」しまうようです。これは今も完全に直ったとはいえず、以前よりはマシですが、油断するとすぐにスイッチが入ってしまいます。

我が家でとっている対策は、「騒いではいけない理由をわかりやすく伝え」「静かにできなければ入れない」と徹底します。何度か図書館で本を借りられずに強制撤去されてからは、少しずつ「静かにしよう」と本人なりに意識できるようになってきました。

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それでも、毎回入る前に約束事を再確認し、しつこいくらい念押しし、さらに集中が続く短時間でさっと用事をすませて出てきます。

「静かにできたね」と褒め、「静かにできた経験」を蓄積させます。「騒いでしまった経験」よりも「静かにできた経験」が勝れば、行動が修正できるのではないかと期待しています。

あとは、「手持ち無沙汰だと悪いことをする」ので、あえてお手伝いを頼むのも意外と効果があります。「カードを受付の人に渡してね」とか「本をかばんに入れてね」とか、「終わったら、外のベンチに座って待っていて」とか、具体的にやることを伝えると、かなりマシです。

スーパーはレジの会計時がいつも修羅場でしたが、折りたたんだエコバックを広げてもらったり(30秒くらいもつ)、袋に詰めてもらったり(ぐちゃぐちゃなのは諦める)、募金箱にお金を入れさせたり(リサイクル回収も好き)と、やることをいくつか用意しておくとおすすめです。

わざと悪いことをする原因

我が家の次男ミッキーは、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

ミッキーはよく、「わざと悪いことをして」しまいます。

相手の反応を見るため、試し行動と呼ばれる行為だと思われます。だいたい、新しい場所に通い始めると、初めは借りてきた猫のようにおとなしく(固まっている)、少し慣れてくると相手を試すようにわざと悪いことをし、反応を見て信用に足る人物だと判定すると懐きます。

いたずらを通してコミュニケーションを図っている、と言えばわかりやすいでしょうか。

やられるほうは、たまったもんじゃありませんけど、まあそういう面はどの子にもあるかと思います。

ただ、年齢を重ねていくにつけ、「本当にやってはいけないこと」はやらないし、試すにしても「加減をしながら」やるものですが、ミッキーはその「微妙なさじ加減」が苦手です。

まず物理的な力加減が苦手で、ボール投げなどの運動も下手だし、鬼ごっこでタッチするときもけっこうな痛さで叩いてしまいます(興奮するととくに)。

さらに、社会的なコミュニケーションのさじ加減は、自閉症スペクトラムの人にとって、もっとも苦手な分野です。「友達になりたいから」、「友達の消しゴムを取って逃げたり」してしまうのですが、それをやると友達から嫌がられるという想像が、できません。

一つずつ丁寧に「それはいけないこと」「それをやったら、友達になれない」と諭していきますが、応用が効かないので、本当に一対一で一個ずつ言わないといけない感じです。なかなか適正なコミュニケーションや、人との距離がはかれません。


ですが、夏休みに特別支援学校の夏期集中講座に参加して、
→(「夏期集中講座への参加」)

言語聴覚士の先生が講座で

「自己肯定感が低いと、わざと悪いことをして気を引こうとする」

と話しており、「なるほど」と思いました。なんか、思い当たることありまくりで。

例えば、家庭ではわざと悪いことをする場面というのは、そんなに多くないんですよ。療育先でも通い始めはやるんですが、1ヶ月もするとスッと落ち着きます。でも幼稚園では結局、2年間通っても問題行動が収まりませんでした。

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なぜあんなに、幼稚園では悪いことばかりするのか不思議でした。「手が届くところに危ないものを置かない」や「見通しがつくように伝え方を工夫する」などの環境調整をお願いしたり、「叱るとよけいに悪いことをする」「叱るときはわかりやすく簡潔に」などの対応を話し合ったり、通級先の先生が指導に来てくれたりと、いろいろ動きはしましたが、あまり効果はありませんでした。

とくに行事前になると幼稚園の門が見えた瞬間からスイッチが入ってしまい、「きゃー」と自分でも興奮が止められなくなり、走り回っていろいろやらかしてしまう、というパターンでした。どうすればそのスイッチを防げるのかわからず、通級先の先生や療育センターの先生ともいろいろ相談しましたが「様子を見よう」で、結局2年間過ぎてしまいました。

でも、小学校に入ったらスッと落ち着いたんですよ。卒園式ではほとんど中にいられなかったのに、入学式では1時間近く座っていました。別人です。時折ウロウロしますが授業も座って受けていますし、幼稚園では絶対にやらなかった合唱や合奏、ダンスの練習にも積極的に入っているそうです。

ミッキーなりに「1年生になったら」という決意があったのでしょうし、私も切り替えるならこのタイミングしかないと思い、「1年生はそんなことしないよ」と折にふれて言い聞かせもしました。

でも一番大きな原因は、「幼稚園で自己肯定感が育たなかった」せいなのだと思います。
幼稚園では「無理して入らなくてもいいですよ」という、優しい排除が日常でした。

小学校では、できるところは入るものだという前提ですべてが動きます。できるように特別に支援をする、それが特別支援教育だという考えが先生方の間に一貫しています。

根底に流れる意識だけで、子供にこれだけ差が出るということを、まざまざと見ました。


幼稚園では先生方の対応も、よくなかったな~と感じます。

なぜか、幼稚園は口頭の指示にこだわっていたし(就学後に困るでしょうと言われました)。絵カードやホワイトボードを、もっと使ってあげればよかったのにと心から思います。1年生の授業だって、先生はきちんと黒板に書いたり実物を見せたりして、視覚的にもわかりやすいように工夫されています。それが、普通です。

また、幼稚園ではミッキーがひっくり返した物は、危ないからと先生がすぐに片付けていました。ミッキーも一応お手伝いはしているのですが、ほとんどやっていなくてもいつの間にか片付いてしまいます。これも、何度か「自分でさせてください」と伝えましたが「無理でしょう」と返されました。

小学校では、自分がひっくり返した物は、何時間かかっても自分で後片付けしないと、次の活動にいけません。これ、非常に大切なことです。自宅でもそうしています。
1学期は何度もそれで、ミッキーは「図工やりたい!」と大泣きして、帰宅後も荒れて大変でしたが、2ヶ月ほどでひっくり返さなくなりました。付き合ってくださった先生には、本当に頭が下がります。

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「ひっくり返したらいけない」と毅然と伝えながらも、「がんばって片付けよう」と隣で励ましてくださいました。自分のやったことの結果をきちんと見せる、自分にできるやり方で責任を取らせる。全て自分でやり遂げたからこそ、理解したのだと思います。

当たり前のことを、丁寧に教えてあげる。

発達障害があろうとなかろうと、子供を育てるために必要なことです。自閉症スペクトラムでなかなか社会のルールが理解できないからこそ、より丁寧に教えてあげなければなりません。

そして、自己肯定感が育たなければ、問題行動は収まらない。口先だけの優しさではなく、もっと根底の部分で子供を信じる。それが伝われば、必ず子供は変わります。

何度言ってもわかってもらえずイライラしますが、徒労感に苛まれることも多いですが、それでも、愛を持って教えなければならないのだと、でなければ絶対に身につかないのだと、自戒をこめて。

profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

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