我が家の次男ミッキーには、自閉症スペクトラムとADHDの発達障害があります。

4月から小学校の特別支援学級に入学したばかり、ピッカピカの1年生です。幸い、支援級の担任の先生と相性がいいみたいで、場所にも人にも慣れるまで時間のかかるミッキーが、2日目からすっかり懐いて「もうママは帰っていいよ」とあっさり言ってくれました。

入学前は近隣の幼稚園に通いつつ、療育センターや児童発達支援、通級も利用していたので、これまでいろいろな先生に受け持ってもらいました。先生との相性は、大事だなぁとしみじみ思います。そこで、先生にお願いします。どうぞ、特別支援のいる子供を受け持つなら、ぜひ心がけてほしいことがあります。

まず、障害特性による困りごとは、わがままと取らず、どうか、本人にもどうにもならないのだとご理解ください。

感覚過敏がある子には、絶対に無理やりさわらないでほしい。音が辛いなら、静かな場所へ避難させてほしい。鉛筆やお箸が難しいなら、補助具を使わせてあげてほしい。口頭の説明だけでなく、目で見てわかる工夫をしてあげてほしい。ちょっとした配慮で、できることも多いのです。ただこうした対応は、発達障害という言葉が知られてきたおかげで、ずいぶん浸透してきたように感じます。


私がぜひお願いしたいのは、「できることはさせて」ほしいこと。

今、ミッキーは「自分でやりたい」気持ちが強く、誰かが少しでも手伝うと、癇癪を起こして最初からやり直しをしないと次に進めません。2、3歳の小さな子にも、そういう時期はあります。自我ができてきた、成長している、喜ばしいことのはずなんですが、やはり小学生になってもそこで怒っちゃうと「せっかく手伝ってあげたのに」と周囲と摩擦が起きます。

ただ友達相手には「ありがとう」と言えるようになってほしいですが、先生はむしろ手を出さないであげてほしい。

よくあるんですよ。
「もう時間がないよ~。みんなが待ってるから、先生がやってあげるね」

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ってやっちゃった結果、結局怒ってやり直しになって、3倍くらい時間がかかります (-_-;)

そしてできなかったフラストレーションで、帰り道、帰宅後、とても荒れます。連れ帰る身としては、本当にやめてほしい・・・ミッキーはできないもの、という認識で、始めから先生がやってしまうことも、よくありました。悪気はなく、障害があるのだからできない、と思い込んでいる感じ。

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私もせっかちなので、ついやってしまいがちなんですが、療育では、本人のやるべきことに関して、決して手を出しません。時間がかかっても、じっと見守ります。

例えば、あいさつ。
言葉のコミュニケーションが、自閉症スペクトラムの人は苦手です。言い方がわからなかったり、言おうと思っても、なかなか口に出せません。ミッキーも、あいさつが苦手。幼稚園でも「無理にさせなくていいですよ」と言われていました。私もそんなものかと、思っていました。

ところが、幼稚園と併用していた発達支援事業所では、あいさつをしないと中に入れません。ただ、強制という雰囲気ではなく「ん?ミッキーくんは、できるよね」という感じで、ニコニコしながら待ってくれているんです。どうしてもできない時も、「次は言えるよ」と励ましてくれ、ミッキーはすぐにあいさつができるようになりました。言葉が出ない子は、会釈でもいい。タッチでもいい。子供に合わせて柔軟に対応しつつ「できることはさせる」という姿勢が、一貫していました。

さすがプロ、です。
接し方一つで、ここまで違うのだと、痛感しました。

もちろん、幼稚園や小学校で、人員が手厚く配置されている療育と同じ対応ができるわけではないでしょう。それでも、みんなと同じやり方でなくても、本人なりにできるやり方で、できることをさせていくのが、自立への道だと思うし、教育の意味だと思います。