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我が家の次男ミッキーには、自閉症スペクトラムとADHDがあります。

6歳を迎え、衝動性を抑える薬を飲み始めています。
(「いよいよ、服薬のスタート」)(「衝動性を抑えるADHDの薬3種類」)


服薬に関しては、子どもの特性、困りごと、親御さんの考え方、主治医の先生の考え方によって、いろいろなケースがあるかと思います。発達障害を専門に見てくれる先生でも、服薬についての考え方は様々です。うちも2ヶ所で病院にかかっていますが、病院ごとに、先生ごとに、考え方に開きがあるのを感じます。いろいろな人の意見を聞いて、もっとも自分の子どもに合っていると思えるやり方を、探していくしかありません。

ADHDの子どもには、環境調整がまず必要で、薬で抑えるのはよくないという先生もいらっしゃいます。薬で抑えたら、その子らしさが失われてしまうと言われたこともあります。ミッキーを診察して「軽度の子に薬は必要ない」と断言した先生もいらっしゃいました。(幼稚園の様子を見ていると、とても軽度とは思えないんですけどネ・・・)

「座っていられないことで、ストレスや苦痛を感じてしまうなら」と、服薬に積極的な先生もいらっしゃいます。他害(人や物に手が出ること)行為を、服薬が必要かの目安にされている先生もいます。

また服薬を始める時期も、就学後にどうしても適応できない場合、としている先生もいれば、ただでさえ変化に弱い自閉症スペクトラムの子が、小学校入学という大きな環境の変化に対応できやすいようにと、就学の少し前から始める先生もいます。

ミッキーは、まず他害行為がどうしても止まないこと。
座って話を聞くのが、どうにも耐えられないこと。
幼稚園でも対応を工夫してもらっていますが、ミッキーにあまり効果がないこと。
変化に弱いので、入学前から薬を使用していたほうが、入学後にやっぱりしんどくなって始めるよりは、身体的にも精神的にもマシだろう(薬に身体が慣れるまで1ヶ月ほどかかる)。また就学相談までに、ある程度、状態の目安をつけておきたいこと。などを考えて、薬の使用適用年齢の6歳から始めました。

でも、周りに薬を飲んでいる子を何人か知っていますが、あの子は納得できるけど、あの子はどうかな~と感じる子も、いることは事実です。

座って話が聞けてはいるけれど、集中が続かない、成績が伸びない、という程度の子どもに、薬を飲ませることは、はたして必要なのか。そういう子には、環境調整や周りの丁寧な関わりで、どうにかなる気がします。

成人して、自分の意志で薬を飲んでいる発達障害の人に比べて、まだ自分では判断できない子どもに、親の希望で服薬させる場合、より慎重になるべきなのだろうと思います。

やっぱり、薬は心配で飲ませたくないという親御さんも、いらっしゃると思います。

私達も、ミッキーが3歳を過ぎても言葉が出ず、発達障害を疑い始めてから、ずっと夫婦でそのことは考え続けてきました。薬を飲まなくても、やっていけるなら飲ませる必要はないと思います。副作用も心配ではありますし、脳を刺激する薬は、可能な限り、飲ませたくない気持もあります。

ただ、薬の助けで衝動性が落ち着くのであれば、それがミッキーの日常生活を楽にしてくれるのなら、必要なのだろうと思いました。

目が悪い人が、メガネをかけるように。
この子にとって、必要なツールなのだと。


もしもお子さんに薬が必要だと思ったら、医療機関に相談してみましょう。
療育で補えるレベルなのか、服薬が必要なのか、発達検査や普段の様子から、専門の医師が診断してくれるはずです。ただもし、先生の診断に納得行かなければ、複数の医師の診断を聞いてみることもおすすめします。

いろいろ相談してみて、どこでも「必要ない」と言われたら、必要ないのでしょうし、こっちの先生は「飲ませたほうがいい」、あの先生は「必要ない」と言ったのなら、どうしてそう判断したのかを、丁寧に聞いてみたらいいと思います。

その上で、一番自分たちの考え方に近い、納得できる、信頼できる先生についていくのが、間違いがないと思います。私たちもいろいろな意見を聞いた上で、説明に納得でき、私たち親の希望もじっくりと聞いてくれる先生を、主治医として選んでいます。

発達障害は、一生付き合っていかなければならない特性です。薬との付き合いも、当然長くなります。子どもの、自分の一生を任せられる先生でないと、続きません。