きょうだい児、という言葉を聞いたことはありますか?

障害のある子の、きょうだいのことです。

子どもに障害があれば、親はもちろん毎日がとても大変です。介護の必要な重度の障害があれば、その子にかかりっきりになってしまうでしょう。その隣で、健常児のきょうだいは、寂しい思いや不安な気持ちを抱えて育つことが多いようです。

最近、よくその系統の本を読んでいて





考え込んでいます。

我が家には3人の男の子がおり、長男ゲンキはこだわりの強いグレーゾーンBOYですが、彼は個性の範囲内で(ちょっとマイペースが過ぎますが)社会でやっていけそうです。熱中すると、他の事柄が一切入らなくなる過集中タイプで、人体とか宇宙とか科学的な話に目がありません。根っからの研究者体質。まあ、そっち系にいってくれれば何とかなると思います。

次男ミッキーは、5歳で自閉症スペクトラムとADHDの診断がつきました。衝動性が非常に強い子で、支援がなければ、日常生活や就職も難しいと思います。

三男ユウキは一番普通な感じですが、ミッキーが大好きで、いつも大喧嘩をしながらずっとくっついてマネをしているので、荒っぽいのが玉にキズ。2歳差でまだミッキーのほうができることは多く、兄の優勢を保っていますが、あと1年もしたら逆転する気がします。その時、2人の関係がどうなるのかはわかりません。

発達障害の程度がもっとも重いのはやはりミッキーで、一番手がかかるのもミッキーで、出かける時、園や学校での行事、何かあると私はミッキーにかかりきりです。あとの2人を旦那さんに任せて、ミッキーにつきっきりです。でないとミッキーが荒れて、物を壊したり誰かに怪我をさせたりするので、目も手も離せません。

ユウキもまだ「ママママ」な年頃で、ゲンキも年齢よりはだいぶ幼いので、本当はもっともっと均等に手をかけてあげないといけないのはわかってはいますが、どうにもできないジレンマが・・・

体が3つあればと、心から思います。せめて、手と目があと2つずつあればいいのにと。

ユウキが生まれた時、ミッキーが予想以上に荒れて大変だったので、(「ミッキー~2歳4ヶ月 下が生まれて喋らなくなる」)3人目は無謀だったかと悩んだ時期もありましたが、年も近くコロコロと遊ぶようになった2人を見て、今は生んでよかったとしみじみ思います。ミッキーが子ども同士で遊ぶ楽しさを知れたのは、ユウキがいてくれたおかげです。ミッキーユウキは相性がよく、相乗効果でヒートアップしすぎてしまうほど、よく遊びます。

ただ、ゲンキとは・・・

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よく見かける一コマ。
どう見てもミッキーが悪いし、やっぱり兄弟が一番被害を受けていて、申し訳ないとも思うんだけど、これがミッキーなりの愛情表現で、遊びなんです。そしていけないこととわかってはいても、どうしても手が止められない。それが彼の特性であり、課題です。

BUT、ゲンキは気難しく、おふざけが許せない潔癖男子。
対友達でもそうですが、ミッキーにちょっかいを出されるのを、本当に嫌がります。それぐらいええやんか、ができません。ミッキーも昔に比べればかなりマシにはなりましたが、かまってほしい気持ちを、いじわるで表現してしまうので、2人の関係は・・・水と油。よくひとつ屋根の下に生まれてきたもんだと思います。この2人の相性の悪さは、ずっと悩みの種。そして、ゲンキをどうしてあげたらいいのか、最近よく考えます。

きょうだい―障害のある家族との道のり
白鳥 めぐみ
中央法規出版
2010-10-01





これはきょうだいの会に入っている障害児のきょうだい児が中心となって、きょうだい児の本音と、そんな時はどうしたらいいのかをまとめた本です。専門書を読むよりも、ズシッときます。とくに親には。

親が障害のある子の世話をする横で、小さい頃からずっと我慢をして育ってきたきょうだい児。いい子、賢い子、えらい子と言われ続け、その型に自分をはめ込んでしまうきょうだい児。(ここに関しては、うちの子達はちっともあてはまりませんが (^_^;))

他の家のきょうだいのように一緒に遊べなかった、きょうだいで同じ学校に通えなかった、同じ学校にいると目立つ障害児のきょうだいとしていじめられた、友達にきょうだいのことを言えなかった、家のことを手伝わないといけなくて遊べなかった、何となくわかってはいたけれど誰もきょうだいの障害のことを説明してくれなくて不安だった、などなど、きょうだい児の本音がたくさん載っています。

来年、ミッキーは小学校に入りますが、ミッキーだけでなく、ゲンキのケアもしてあげないといけないなと痛感しました。とくに、からかわれるのが大嫌いなゲンキが、目立つミッキーのことで友達に何か言われ続けたらしんどいだろうなと。

ミッキーが入学する前に、ゲンキにはきちんとミッキーの障害のことを話そうと思います。とくに発達障害は見た目ではどこに障害があるのかわかりにくいので、どうしていじわるをしてしまうのか、そんな時はどう接してあげればいいのか、どうしてミッキーは特別支援級に行くのか、もしもゲンキが友達から聞かれたらきちんと答えられるように、子どもにもわかるように、教えてあげないといけないと思います。

ユウキが小学校に入る時も、同様にミッキーのことでからかわれないか、注意して見てあげないといけないなと思います。


私がいなくなった後、ミッキーの面倒をきょうだいに見て欲しいとは、考えていません。きょうだいはきょうだいの人生を、精一杯楽しんで欲しいと心から思います。その一方で、せっかくきょうだいとして生まれてきたのだから、反目し合うのではなく、互いに思いやりや愛情を持って育って欲しいと心から願います。もしもミッキーが成人後も介助が必要で、私がその任を果たせなくなったら、迷わず施設に入れると思います。きょうだいに託すつもりはありません。でも、せめて、家族として、面会に行ってあげて欲しい。ミッキーの、家族として生きてあげて欲しい。

でもこうやって、きょうだいのことを考えてあげられるようになったのは、記憶が無いくらい大変だった一時期を思えば、心の余裕が出来てきたってことですよね。ユウキが生まれてからの1年くらいは、本当に毎日が綱渡り生活で、よくみんな生きていたな、誰も死ななくてよかったなって感じで、それを思えば、今は楽になったんですね。

明日は今日より楽になる!
子どもはどんどん成長していくのだから!