子供の言葉が遅れると、親御さんはまず発達障害を疑うかもしれません。ですが、その前に絶対に確認スべきことがあります。

それは、「聴力」

以前、次男ミッキーが、幼稚園の検診でひっかかったことがあります。

まずは聴力検査で「小さい音が聞こえていないかもしれない・・・」との指摘。さらにその直後の耳鼻科検診で、「滲出性中耳炎をこじらせているから、すぐに耳鼻科に行くように」と言われてしまいました。(「滲出性中耳炎ってなに?」)

もちろんすぐに連れていったのですが、首より上が過敏なミッキーはまあ暴れるわ泣くわで・・・

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耳鼻科で見てもらったら、異常なしと言われたのですが(集団検診の誤診はよくあるそうです)、ヘッドホン(聴力検査用)やティンパノメトリ(鼓膜の動きを調べる機械)を嫌がるので、検査ができず、「完全に白とは言えない」と言われたので、結局紹介状を書いてもらい、総合こども病院まで行くことになりました。

「言葉の遅れがあるので聴力を一度検査したいこと」「自閉症の疑いありと言われていて、多動&感覚過敏で検査が難しいかもしれないこと」を問診票に書き、診察が始まります。すごく優しい先生で、子供が嫌がる機器は使わずに診察してくれるし「鼻の検査は嫌がると思うので、最後にしましょうか」などの配慮も行き届いており、これまでの耳鼻科でさんざん「こんなに暴れたら見られへん」「すごい声やな」「うちには連れてこんといて」(発達障害があることは事前に伝えておいたのに)などなど・・・心無い医師の発言で心が折れかけていた私には天国でした。理解のある病院では、これだけスムーズに診察が受けられるのに。

「言葉の遅れがある子は、必ず聴力を一度確認する必要があること」を丁寧に説明してくれます。そして通された検査室には、遊戯聴検と呼ばれる装置があり、ボタンを正確に押せるとピカピカ光るサイレンライトやぐるぐる走る電車のおもちゃがあり、ミッキーは大喜び。

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これまで散々てこずってきた聴力検査が、ものすごくスムーズにできました。音が聞こえたらボタンを押すというのがどうしても理解できず、今まではボタンを押しまくっていたミッキーが、正解するとライトが回ることをすぐに理解し、楽しいので集中も続き、最後まで検査を受けることができました!

結果は、どの音もバランスよく聞こえているとのこと。
滲出性中耳炎も、ありません。鼓膜はとってもきれい!だって。

「もう、なんだよ~」(# ゚Д゚)

まあでも、一度聴力検査は受けたいと思っていたので、ちょうどいい機会ではありました。ただ遊戯聴検での結果は、データとして他の機関に提出できないと言われたので、脳波による精密検査もやることになりました。

言葉の遅れがある子どもは、難聴が原因なのか、自閉症が原因なのか、その他の機能的な問題(口蓋裂や鼻の奥の疾患が原因となることも)なのか、一度きちんと診てもらう必要があります。ずっと自閉症だと思っていたら、実は難聴だったというケース(逆も然り)もあります。

最近は新生児スクリーニングが一般的になってきたので、生まれつきの難聴を見逃していることは少なくなってきましたが、うちでもスクリーニングを受けているのは三男のみ。長男、次男の出産時にはそのような検査はなかったので、どうしても漏れがあります。また滲出性中耳炎のように、後天的に疾患が原因で難聴になっている場合もあります。

自閉症と難聴ではアプローチがまったく異なってくるので、子供が混乱しないように、そして早期に適切な療育が始められるように、「落ち着きもないから自閉症だ」と決めつけず、きちんと検査してみましょう。聞こえないから他の感覚が過敏になってしまっていたり、聞こえないから指示がわからずに落ち着きがないように見えることもあり、意外と難聴と自閉症の子供の症状は似ていることが多いそうです。また高い音だけ聞こえないなど気づきにくい難聴のケースもあり、話せているけれど発音がおかしい(自閉症でもイントネーションが変なことが多い)こともあります。聞こえが原因なら、早期に補聴器を使わせることで言葉を伸ばすことができます。その子に一番合った支援を探すためにも、できる検査はしておくことをおすすめします。→(「子どもの言葉の遅れ、5つの原因」)