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自閉症スペクトラムやADHDなど、発達障害のある子供に「おむつなし育児」は有効かどうか、を考えてみたいと思います。我が家には3人の男の子がいますが、長男と次男がグレーゾーン。次男のほうがより特性が強く、言葉の遅れだけでなく、多動や感覚過敏もあります。でも3人ともおむつなし育児で育てました。
→(「おむつなし育児ってなに?」)(「おむつなし育児のやり方」)

3人のおむつが取れた時期は、長男ゲンキ→2歳過ぎ。次男ミッキー→3歳過ぎ。三男ユウキ→2歳0ヵ月現在日中はトレパン状態。この夏には取ろうと思っています。

ゲンキは1歳半からパンツ、ミッキーも2歳半からパンツで時間排泄でした。おむつが取れたというのは、自分で「おしっこ」を教えてくれるようになった時期のことです。ユウキも、「うんち」は1歳8ヵ月頃から教えてくれます。

ゲンキユウキは、おむつなし育児の成果か、明らかに周囲よりも排泄自立が早いです。
ミッキーは他の子供のおむつ外し時期と同じかやや早いくらいでしたが、1年以上言葉の遅れがある自閉っ子にしたら、ものすごくスムーズに取れたほうだと思います。もし紙おむつで育てていたら、おそらく今も取れていないでしょう。

発達障害の子供にも、おむつなし育児は有効だと私は思います。
といっても障害が重い子供は、もしかしたらそれどころではない、もっと生活の基本的なことをするだけで精一杯で、布おむつやおむつなし育児なんてやる余裕が、親にないかもしれませんが。それでも療育手帳を取得し、おそらく小学校も普通級は難しいであろう次男ミッキー(手帳の等級は軽度です)でも、おむつなし育児はできました。→(「療育手帳の取得に向けて」)

発達障害の子供に共通する特徴に、一度身についた習慣を変えることが難しいということがあります。一度紙おむつの中に排泄する習慣を身につけてしまうと、なかなか変えられないのは健常児でも同じですが、発達障害を持つ子供は、よりそれが強く出てしまいます。

さらに、自閉症スペクトラムの人は身体の感覚が人とは違うことが多く、排泄感覚がわかりにくかったり、下半身の感覚が鈍く上手に排泄できなかったり、「おしっこがしたい」と感じてもそれを言葉にすることが難しかったり、狭くて暗いトイレを異常に怖がったり、失敗して叱られた記憶が消えずにフラッシュバックを起こしてしまったり、トイレトレーニングがうまく進まないことが非常に多いです。

「赤ちゃんにおむつはいらない」三砂ちづる著)によると、赤ちゃんはもともと本能的に、排泄物をおむつの外にしたいという欲求があるそうで、その本能を大切にしながら育てることが「おむつなし育児」の本質です。発達障害があっても、食欲や睡眠欲と同じように、排泄をするという本能は、誰でも持っているはずです。持って生まれたその本能を、薄れさせずに育てることで、トイレトレーニングがしにくい発達障害の子供もスムーズにおむつが取れるのではないかと思います。

赤ちゃんにおむつはいらない
三砂 ちづる
勁草書房
2009-08-29


おむつの外にすることが気持ちいい、おまるやトイレにすることが当たり前、という感覚で赤ちゃんの頃から育てていれば、年頃になったからといきなり「今日からトイレでするように」と言われても、戸惑わずにいられます。

発達障害があるかどうか、はっきりしてくるのは2歳とか3歳、もっと大きくなるまでわからなかったというケースも多いので、この子は障害があるからおむつなし育児で育てようと、初めから考えている親は少ないとは思いますが、すべての子供に優しい子育て法として、ぜひ「おむつなし育児」を知ってほしいなと思います。

ただ、発達障害があると赤ちゃんの頃から特徴的な育てにくさとして、「抱かれると嫌がる」「不安定な姿勢を嫌がる」などの症状がある場合があり、次男ミッキーも縦抱きが嫌いだったのですが、身体を支えておまるにおしっこをさせるのが難しい時期がありました。→(「ミッキー~4か月 身ぶるい発作&反り返りで受診」)

指示が理解できにくかったり、トイレなど場の認識がつきにくかったり、発達障害が原因の「おむつなし育児」のやりにくさも出てきます。次回以降、そういった問題点を考えていきたいと思います。
→(「発達障害の子供でも、おむつなし育児はできる?」)