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次男ミッキーのように療育手帳も取得し、 専門機関に相談にも通っている場合、話は早いのですが、長男ゲンキのようにグレーゾーンだけれどはっきりとさせていない場合、どのように学校側に配慮をお願いすればいいのか、難しいところです。

私自身、ミッキーの療育を通して知ったことや勉強したことを当てはめて、「ゲンキもここが弱い、これも苦手だ・・・それは高機能自閉症の特徴に当てはまるんじゃないか・・・」とわかってきただけに、初めて接する先生に単なる「わがまま、我が強すぎる、人に合わせられない」と受け取られてしまわないか、クラスメートにお荷物に思われないか、心配しています。

2016年4月に施行された「障害者差別解消法」によって、通常級でも一人一人に合わせた「合理的配慮」をすることが学校や行政に義務付けられました。目が悪い子がメガネをかけるように、聞く力が弱い子は視覚から支援したり、書く力が弱い子はタブレットの使用が認められたリ、ケースバイケースで様々な対応をしてもらえるようになりました。ですが、「合理的配慮」という言葉自体がまだ新しいので、先生によって、温度差はあるかと思います。親の側から丁寧にお願いすること、これが必要になってきます。(→「合理的配慮ってなに?」)



ゲンキが2年生の時、対応が後手にまわってしまい、とくに2学期頃、情緒不安定になってしまいました。ルールにこだわりすぎる。具体的に説明しないと、通じない。話しかけられても、気づかないことがある、これらの特性が原因で、友人とのトラブルも起こっていました。担任がちょっと話の通じない人で、いろいろお願いした中でやってくれたのは「席を前にすること」くらい・・・
(→「ゲンキ2年生 授業中にじっとしていられない 先生との相性」)

よく叱られていると、友達のお母さん経由で(本人は何も言いません)聞いて、もう (# ゚Д゚)

ゲンキは構音障害があり「ことばの教室」に通級しています。
(→「さ行が言えない ゲンキの発音訓練 ことばの教室」)
ここは言語関係だけでなく、発達に偏りがあったり、不登校などの問題を抱える子も通級する場所なので、「ことばの教室」の先生に間に入ってもらって、「わざとではなく、本人の個性なのだ」と伝えました。ゲンキのように通級していなくても、養護教諭やスクールカウンセラー、特別支援コーディネーターの先生など、担任との間に入ってくれそうな人がいたら、どんどん頼ったらいいと思います。親から一方的に言われるより、専門家が間に入ってくれることで、先生の対応もずいぶん違います。

うちは母が元小学校の教員で、先生への対応でも相談にのってもらっています。母からのアドバイスによると、

「これやって!って言われると、やっぱりカチンとくるわな。穏便に、いつもお世話になっていますという姿勢でいかないと、聞いてもらえる話も聞いてもらえなくなる。あの親やから・・・って思われんように」

だそうです。

「いきなり、教育委員会や管理職に泣きつくのも、アウト。まずは、きちんと担任の先生と相談すること。どうしてもこじれたら、年度末に校長に面談を申し入れて、来年以降の担任を配慮してほしいと伝えること」

年度末にっていうのが、大事だそうです。年度途中にこじれると、クラス替えまで子供がつらいからって。

それに従い、一年間耐えに耐え、年度末に校長先生にお手紙を書き(担任の悪口は書いてませんよ!)「熱中すると周りが見えなくなってしまうので、友人との摩擦があったこと」、「普段の生活をきめ細やかに見て欲しいこと」(=見れる担任をつけろ)を伝えました。私が直接校長先生に面談して渡すことも考えたのですが(言いたいこともたくさんあった・・・)、やっぱりそれは角が立つので、「ことばの教室」の先生経由で渡してもらいました。

そのおかげで、3年生ではベテランのしっかりした先生に受け持ってもらい、なおかつゲンキの弱い部分に配慮したきめ細やかな指導をしていただき(宿題の添削を見ているだけで違いがわかる)、1年間で別人のようにしっかりしました。宿題も一人でできるようになったし、友人とのトラブルもなくなり、安心して見ていられるようになりました。まあ、また高学年になったら、中学生になったら、別の困りごとが出てくるかもしれませんが。


グレーな感じだけど、どうやって先生にお願いすればいいかわからず困っている方、まずは先生と仲良くなることから始めてみてくださいね。私も、学校の様子がわかればと PTA を引き受けたり、行事の立ち当番を引き受けたり、家庭訪問の時に子供の様子を簡単にまとめた(長くなると負担になるので適度な量でね)用紙を渡したり、左利き用の反転プリントデータを作って渡したりと、家庭でできることをやってきました。

「あのお母さんにはお世話になっているから」
そう思ってもらえたら、子供のことも気にかけてもらえるはずです。
仕事でなかなか学校を手伝えない人でも、懇談会はできるだけ出るようにするとか、プリントの提出期限を守るとか、できることはたくさんあるはずです。

合理的配慮が法律で義務付けられているからといって、居丈高な態度をとることは逆効果です。
「うちの子だけ、こうさせてほしい」
「これはできないから、やらせないでほしい」
こういう物言いは、トラブルの元です。
親の側からは「こんなことで困っている」「発達のこの部分が弱いから、これができないようだ」「家庭ではこんな風にしたらうまくいった(反対に効果がなかった)」と、子供の様子を丁寧に伝えつつ、どうすればいいかを一緒に考えるという姿勢がいいと思います。学校にも都合がありますので、できること、できないことがあります。

また私の経験上、「食欲がない」「元気がなく、朝も起きられない」など体調面で気になることを伝えると、先生の対応が変わるような気がします。不調や情緒不安は、不登校につながるサインなのでしょう。「配慮をしてほしい」と言うよりは、「このままでは学校に行けなくなってしまう」のほうが、先生も聞きやすい感じです。

学校は敵ではなく、子供が成長するために必要な場です。家庭も、学校も、地域も、すべてが子供の応援団になれるよう、みなで手を取り合っていけますように。