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自閉症はやはり言葉の遅れがはっきりしてくる2、3歳頃にわかることが多いですが、赤ちゃんの頃から特徴的なサインが出ていることもあります。

赤ちゃんの頃の自閉症児の特徴として、

①目が合わない。
②表情がない。
③抱かれると嫌がる。または抱かれても身体を硬くして緊張している。
④呼ばれても反応しない(耳が聞こえていないと誤解されることも)。
⑤母親と気持ちが通い合っている感じがしない。
⑥人見知り、後追いをしない。
⑦模倣(マネ)をしない。バイバイが逆になる。
⑧指差しをしない。
⑨ごっこ遊びをしない。物を並べるのが大好き。
⑩手をひらひらさせる、くるくる回るなどの常同行動をくり返す。
⑪洗髪や歯磨きを、異常に嫌がる。
⑫カミナリや花火など、特定の音を異常に怖がる。
⑭同じものばかり食べる。好き嫌いが激しい。
⑮夜泣きがひどい。または、夜に寝ない。
⑯つねに動き回っていて、落ち着きがない。
⑰順番や手順にこだわりがあり、少し違うだけでパニックを起こす。
⑱人の手を使って、物を取ろうとする。(クレーン現象)


などが挙げられます。幼いうちからこういった違和感を感じていて、2歳を過ぎても喋らないといった言葉の遅れがプラスされると、わりと早い段階で自閉症という診断がつきます。(早ければ1歳半健診で指摘されます)

とくに①や②や⑦や⑧は、わりとわかりやすいサインだと思います。1歳半健診でも、目が合うか、指差しをするかを見られます。
⑨や⑩も、典型的な特徴です。ミニカーやブロックをひたすら並べている、ピョンピョン跳んでいるというのは、幼児期の自閉症児によく見られます。

ですが⑪や⑭や⑮などは普通の子でもよくある話で、お子さんに当てはまるからといっても他に明らかに気になるところがなければ、心配いらないでしょう。おそらく、程度の問題だと思います。自閉症児のこだわりは普通の子のこだわりとは違って、生活が成り立たないレベル。例えば、散歩のたびに必ず公園の横にある看板をタッチしないと通れなくて、その看板がある日撤去されるとパニックを起こす。など親には理解しがたい細かいこだわりで、毎日ががんじがらめになってしまいます。
パニックも、泣き始めたら1時間ギャン泣き大暴れという状態をいいます。ひっくり返ってエンエン泣いても、5分もしたら治まるものは癇癪にすぎません。

自閉症スペクトラムは、まだわかっていない部分の多い発達障害ですが、子供の約50人に1人、グレーゾーンの子も含めれば約20人に1人はいることが研究でわかってきました。けっこう、多いんですね。クラスに1人はいるということです。男の子に圧倒的に多く、女の子の約5倍の確立で発生すると言われています。

次男ミッキーは、上にあるような特徴は見られませんでした。人見知りはあまりしなかったけれど、後追いはしていたし、表情が乏しかった気はするけど(いつもシラ~としていた)、目も合うし笑顔も多く、バイバイやタッチなど模倣もちゃんとできていました。指差しもありました。どちらかというと、じっとしていられない、破壊的な遊びを好むなど、ADHDの要素が乳幼児期から激しく、とにかく多動を何とかして~という感じでした。

だから言葉の遅れを指摘されても、う~ん、自閉症とは違うんじゃないかな~と思っていたわけです。でも洗髪や歯磨きはめちゃくちゃ嫌がっていたし、聴覚過敏で花火の音は今でも怖がります。味覚過敏もあり、混ざった味が食べられず、炊き込みご飯やチャーハンは食べません。白いご飯じゃないと嫌。ハンバーグも嫌い。

これらは感覚過敏と呼ばれる症状で、普通の人は気にならないレベルの感触や音や味が、自閉症の人は耐えがたいほど強く感じられることです。ミッキーには、これがあるな~と感じます。

慣れや訓練でも何とかなるもので、洗髪や歯磨きは、10秒数えようとか、好きな歌を歌ってあげるから我慢しようという声かけで、3歳半頃にはなんとかできるようになりました。白いご飯へのこだわりはわりと面倒で、ゲンキユウキは混ぜご飯系が大好きなので、炊き込みご飯やチャーハンもたまに作りますが、その日はミッキー用に白飯を別で用意します。
花火やカミナリも、来そうな時は事前に予告することで、かなり苦手さが軽減できつつあります。

感覚過敏は、どれだけ辛いのかが本人以外にはわかりにくい障害です。根性論で「これくらい慣れろ!」と強要するよりは、どうすれば大丈夫になるかな?と一緒に工夫をしてあげるほうが、うまくいくと思います。